感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
43
冷淡な脳を持つ人間は良心を持たず冷酷無比に残酷な行動を実行する。 イジメの首謀者が良心の呵責なしにその餌食を徹底的にいたぶる。 幼少期にいじめられたトラウマを持つ者が力を持った時、意趣返しとしてスケープゴートへ鬱憤晴らしをする。 これが個人レベルならば被害の範囲は限られるが、その人間が権力者だとしたら…。 歴史上の権力者は理由をつけて政敵を粛清した。その矛先が無辜の人々に向かうのなら、その罪業は後代まで語り継がれることになる。 今、閻魔帳に一人の名前が書き加えられようとしている。2022/04/10
vinlandmbit
31
図書館本。参考として読了。自分には想像も予想も出来ない物事の捉え方をする人は、厄災的に、身近に現れると思うので、自衛として、知っておかねばと。。2022/06/28
れい
9
【府立図書館】これぞ文献という一冊。サイコパスと聞いてまず思い浮かぶのはレクター博士。本書は彼の人物像とは完全に一致はしない。道具的攻撃を行うこと、他者の痛み(心身両面)に共感性がないのはまさしくそうだが。快楽殺人を行う者は他者の苦しみを快感と感じることであり、少なくとも他者の苦痛を理解できている。サイコパスの病理が扁桃体と眼窩前頭前皮質にあることは確定。低IQで警察に容易に御用となる犯罪者は治療の対象となるだろうが、SESの立場にあり一見社会適応しているような御仁は治療の対象ではないということだろう。2018/04/25
彬
8
サイコパスの実例ではなく医学的な観点からひたすら彼らを分析し、将来的には治療を可能にしようというもの。複数の仮説が提起されているがいずれも仮説の域をでない。内容が専門的で淡々としているので、正直眠くなりましたが、各章は短く、かつ最後にはまとめが必ずあるので理解できなくても確認はできる。専門内容が濃いので値段には納得だが、レイアウトはもう少しどうにかなったんじゃないかと思う。やろうと思えばもっとコンパクトにできたはず2014/08/10
Ryo
7
ど素人が読むには専門性の高い本。よくわからない3文字短縮英語がサラッと出てきたりして、だいぶ難解だった。丁寧に一枚づつベールを剥いでサイコパスの実像を明らかにしていく。本書をでは、サイコパスはただの能力欠損ではない事がわかる。扁桃体の一部の機能障害が情動に関する学習障害を起こし、大人になるにつれて一般人と、解離していく。多分をサイコパスが恐ろしいのは、この部分である様に思う。決定的な欠損でないがために、健常者の中にあって認知出来ない。サイコパスは、普通の人と違う事よりも、近い事が脅威を大きくしている。2019/12/05