内容説明
人はなぜ恋するのか?恋する気持ちは時代や地域で変わるのか?スタンダールの『恋愛論』から『ハチミツとクローバー』まで多彩な恋をとりあげ、対談、エッセイ、ブックガイドという3つのスタイルを用いて、「恋すること」と「生きること」を結びあわせる。
目次
1 “恋する”を語る(ロールキャベツ好きな女子、待つ男子―草食化してきた恋のかたち;古典的な恋愛論に学ぶ―現代に通じる、二〇〇年前の恋愛観;ハチクロにみる恋愛の哲学と経済学―ピュアな感情と打算)
2 “恋する”を考える(哲学から―恋する自我、恋人たちの自由;歴史学から―「女らしさ」「男らしさ」が逆転する歌;経済学から―歴史に制約される恋愛の自由;ヨーロッパ文学から―情熱の物語とその読者;神学から―ジイドの『狭き門』からみる恋と愛;アメリカ文学から―恋する詩人ミレイ)
3 “恋する”を学ぶためのブックガイド(“恋する”瑞々しさを学ぶ;“恋する”ありさまを学ぶ;“恋する”苦悩を学ぶ;“恋する”ことばを学ぶ;“恋する”歴史を学ぶ;“恋する”と“愛する”の違いを学ぶ;“恋する”とは何かを学ぶ)
著者等紹介
河西秀哉[カワニシヒデヤ]
1977年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(歴史学)。神戸女学院大学文学部総合文化学科専任講師。専門は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ecriture
12
畑の違う6人による恋愛論集。男女雇用機会均等法、バブル崩壊などの経済・社会的要因が90年代から日本のジェンダー観の変化を加速させ、恋愛にも「草食」「肉食」など新たな言葉を必要とするようになっていった。男と女、泣くことが許されるのはどちらか。相手に金を使ってやるマッチョな恋愛ができなくなったとき何が起こるか。経済と恋愛の結びつきについて論じられる部分が多い。経済学は所与の環境のもとで利益(幸福)を最大化するに留まらず、外部環境の成立過程(歴史)やその抑圧への抵抗(改革)をも担う学問であるという主張がアツい。2014/09/29
あるぱか
6
恋するということを、対談やエッセイなど、様々な形で解説した本でした。ある一つの物事を学ぶには、いろいろな学問からのアプローチ方法があって面白いなぁと思いました。恋や愛は人間の本質的な部分から成り立っていると思っていましたが、社会や立場など周りの状況などもにも大きく影響されて発達?発展?していることがわかりました。最後のブックガイドで、また読んでみたい本も発見できたのでよかったです。2016/04/04
kyon
2
恋するということを色んな角度から解析した本。学問的で難しいかなと思ったけども、楽しく読めた。2015/01/02