Sekaishiso seminar
ひきこもりの社会学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 250p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784790712770
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C1336

内容説明

人はどのように「ひきこもり」に至るのか。今や数十万人規模で存在するとみられる「ひきこもり」。そこに至るプロセスには、ひとつの共通項がある。経験者への丹念なインタビューと、不登校・ニートの考察を通して、その実態と原因を解明する。

目次

第1章 経験者からの聞き取り―菅原さんのケースから
第2章 「ひきこもり」とは何か
第3章 「ひきこもり」の分析と定義
第4章 高卒以前の「ひきこもり」
第5章 大学での「ひきこもり」
第6章 逸脱の恩寵と報い
終章 結語

著者等紹介

井出草平[イデソウヘイ]
1980年生まれ。2006年、大阪大学大学院人間科学研究科博士前期課程修了。現在、同大学博士後期課程に在籍。専攻は理論社会学・逸脱論。ウェブサイト「論点ひきこもり」を中心に「ひきこもり」への支援活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

23
ひきこもり経験者の聞き取りから社会学的に分析した本です。本著では、ひきこもりには①男性が7割~8割であること、②数十万人単位で存在するのは日本だけであること、③1970年代以降にあらわれたきわめて現代的現象であることを指摘しています。現代的な現象ではあると思ってはいましたが、日本社会特有の社会問題であるというのは少し驚きでした。求められる社会規範に対して、ひきこもるという「逸脱」行為に陥らざるを得ない人びとに対して、どのように支援できるのか考えてしまいました。勉強になりました。2016/03/10

coaf

12
卒論のテーマを決めるために大学の図書館をぶらついていると本書を見つけた。卒論のテーマにするつもりは無かったが、興味があったので借りてみた。修士論文でこんなのが書けるんだね。すごいな。ただ、学者の著作と比べると中身は薄いと感じた。ひきこもりを開放型と拘束型とに分けて論じていたが、その分類にどの程度妥当性や意味があるのかは疑問。元ひきこもりへのアンケートが本の大部分を占めているし、同じことを繰り返し述べていたりもするので、肝心の主張が少なく、説得力にも乏しい。自分がこんなの書けるかって聞かれたら出来ないけど。2013/04/06

Baron

3
ひきこもりを、病理ではなく「社会学」という観点から説明した一冊。 この本では、ひきこもりは規範に従順であり、秩序や常識を重んじる……いや、その特性が強すぎるからこそひきこもってしまうのではないか?、と説く。 特に気になったのは、ひきこもりは「平凡な家庭」から生まれやすい、といった一節だ。統計的に見れば、ひどい虐待や家庭崩壊はあまり見られないというのだ。 その一方で、お互いが無関心であることが多く、「~ならねばならない」という教条的な傾向が強いことも示唆している(続く2014/08/21

ケルトリ

2
実際のひきこもり経験者と筆者との聞き取りが正確に記録されている。心理学や精神医学との関係性を交えつつ行われる考察は、純粋に『人間の心の動き』というのを考える上でも面白い内容であった。2019/07/25

まつゆう

1
引きこもりではないが、引きこもりのようにカッコつきの「こまった」人を相手にするボランティア等をやっていると、どうもこういう統計的手法になじみがないというか、「そんなんで分かってたまるか」と反発も多少したくなるのだが、しかし最近の引きこもり関係の著作は質的研究が多いのでその点でやや異色であるし、重要になっているとも。2016/10/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/36032
  • ご注意事項