出版社内容情報
戦後の家族計画運動によって、我々は何を得て何を失ったのか。「少子化現象」を根源的に問い直し、近代家族論に新たな光を当てる。
内容説明
戦後の家族計画運動によって、我々はなにを得て、なにを失ったのか。家族と女性たちの身体に起きた社会変化の過程をボディ・ポリティクスとして複眼的に捉え、近代家族論に新たな光を当てる試み。
目次
第1章 戦後日本の「人口転換」と家族計画
第2章 医療・マスメディアと生殖の統制
第3章 生殖を統制しようとする多様な動き
第4章 日本鋼管と他の企業
第5章 日本国有鉄道の家族計画運動
第6章 国鉄の各鉄道管理局・支社
終章 家族計画運動の多重的意味
著者等紹介
田間泰子[タマヤスコ]
1956年生。京都大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。大阪府立大学人間社会学部教員・同女性学研究センター研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jackbdc
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興奮した。俄かには信じ難い。ついこの前、財界が、大企業が主導して、国民的なムーブメントとして出生抑制が行われていたなんて知らなかった。明るい家族計画という錆びついた自動販売機を最近は目にすることは少なくなったけれど、なんでこんな需要の無さそうな販売機があちこちに存在するんだ?とずっとモヤモヤしていのだ。本書を読んで、点と点が繫がった気がする。高度成長期、家庭と企業の結びつきが強かったこと、出生抑制に潜在的なニーズもあっただろうことも読み取れる。今と比べて余暇も少ないから、夫婦仲も良かったのかもしれないな。2020/10/22