内容説明
雲上人として特殊な文化を育んできた貴族階級=華族の実態はどのようなものであったのか。現在の目でその姿を再構成し、身分文化の意味と中流・庶民階級への影響を探る。アメリカ大学出版協会有沢広巳記念賞受賞作。
目次
第1章 華族の研究―なぜ、何を、どういう手法で?
第2章 華族の誕生(抄訳)
第3章 世襲カリスマの構築(抄訳)
第4章 跡目相続(抄訳)
第5章 生活様式―身分とヒエラルキーを示すもの
第6章 婚姻―男女の再編成
第7章 社会化―身分文化の習得と伝達
第8章 身分と職業(抄訳)
第9章 結論
エピローグ―昭和の終焉
著者等紹介
井上義和[イノウエヨシカズ]
1973年長野県に生まれる。2000年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程中退。現在、京都大学大学院教育学研究科助手(教育社会学)
海部優子[カイフユウコ]
1960年兵庫県に生まれる。1982年奈良女子大学文学部社会学科卒業。1985年クイーンズ大学(カナダ)社会学修士。現在、外務省文化交流部文化第一課長補佐。主要訳書は『パブリック・スクールの社会学』(竹内洋と共訳、世界思想社)など
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感想・レビュー
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rbyawa
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i061、正直なところ特に目新しいことはなかった、というのが本音ではあるがあくまでも研究者の見解を聞いたというわけではなく、財閥、公家、武家などの本を読み続けて来た結果なので一冊で読めるならそれに越したことはないように思うし、私程度だと全く引っ掛かったことはなかった。ほぼ納得の内容。しかしこれはアメリカの研究の手法だとすると、国内で読んでいる本の稚拙さがいささか胸に…来るかな。上流階級における閉鎖性、学習院における特別な連帯意識、皇室意識にまつわる金銭の話、しかし、公家の大量の非摘出子どこ行ったんやら…。2018/09/04