内容説明
「早期発見・早期治療で寿命が延びる」「近年、医療に対する不信が増大している」このような、ほとんど疑いをもたれることなく語られる、医療についての様々な言説。その真の姿について批判的に解明し、相対化を試みる。
目次
第1章 人間ドック
第2章 野口英世
第3章 赤ひげ
第4章 軍国主義時代―福祉国家の起源
第5章 「脳死」と臓器移植
第6章 不妊治療
第7章 ホスピス
第8章 インフォームド・コンセント
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rakanka
1
アンソロジーながら最後の「インフォームド・コンセント」の章においてそれまでの議論を包摂するという緩やかな構成が認められる。近代医学がどのような人間観のもと数々の神話を作り出しているか、あるいはどのような形で人間観に影響を及ぼしているか。人間ドック、不妊治療、脳死等々。医療を受ける側もまた再度地歩を確認すべきだろう。10年以上前の本だからこそ、なおさら。2012/05/05
Tsuyoshi
0
8人による分担執筆。第八章「インフォームド・コンセント」(土屋貴志)のみ読了2003/04/10
ねぎとろ
0
監視社会論者(フーコー派?)による論文集。やや「神話」批判に力点が置かれすぎていて、それを批判した後に何が残るのかよくわからない。必要な批判であっても現場に働く人々を説得できるものでなければ、神話は今後も生き残り続けるのではないだろうか。2011/09/18