内容説明
社会病理学への招待。「社会的諸問題」を読み解く視点の歴史と現在に、バランスよく目配りした解説。青少年問題が少年犯罪から校内暴力へ、そして「いじめ」へと「転移」してきたのは?社会学的な見方のおもしろさを提示。
目次
1 社会病理学の考え方(社会的諸問題への社会学的アプローチ;社会病理への実態主義的パースペクティブ;社会問題への定義主義的パースペクティブ;実態主義と定義主義;社会病理研究の展望)
2 青少年問題を考える(戦後日本の少年犯罪;モラル・パニックと青少年問題の変質;「いじめ」問題とフィードバック・モデル)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュミットさん
1
どのようにして社会病理に向き合える理論を構築するか—。日米の社会病理学の理論的展開を辿ることで、「病理」そのものも社会的形成のプロセスのなかで生み出されてきたことが明らかとなった。まさに社会学的想像力のお手本のような作品。版元品切れは残念。2009/09/08
davi
0
以前お世話になった著者の名前を見かけて懐かしく思って手にした本。「社会問題の社会学」が考えてきたことから、青少年問題いじめなどのテーマの変容や解釈が記されている。一章を割いて「実態主義」と「定義主義」の違いが説明されていてパースペクティブを中心に据えた社会学的アプローチが解りやすい。2017/01/19