アダムの呪い

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  • サイズ B6判/ページ数 413p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784789722797
  • NDC分類 467.3
  • Cコード C0097

内容説明

それは一本の電話がきっかけだった。著者サイクスが自分と同じ姓をもつ赤の他人のDNAを調べると、父方の遠い先祖でつながっていた。そして、父親から息子に引き継がれる男性DNAをたどったとき、そこには驚くべき事実が待っていた。どうして男性が戦い好きでどうして暴力的で、どうして不安定なのか、すべての疑問はひとつの結末にたどりつく…滅亡のシナリオをもった遺伝子Yへと。遺伝子研究からあきらかになる自然が企てた究極の組み換え実験。あなたの体のなかにかくされた滅亡の遺伝子がいま解明される。

目次

サイクス家の起源
孤独な染色体
生命のリボン
最後の抱擁
性と性染色体
男性が誕生するまで
魚に教わる性のヒント
性は必要?
理想的な共和国
性の解釈〔ほか〕

著者等紹介

サイクス,ブライアン[サイクス,ブライアン][Sykes,Bryan]
英オックスフォード大学の人類遺伝学教授。DNA遺伝子を古い骨やミイラから採取し、その成果を1989年の『ネイチャー』誌上で発表して以来、この分野で国際的権威のひとりとなる。彼の研究チームはホモ・サピエンスのDNA系図をまとめる偉業を達成した。著書『イヴの七人の娘たち』は、5000年前のヒトの化石からミトコンドリアDNAを採取したことをきっかけに、現代人の共通祖先を探しあてた過程を紹介し、世界的ベストセラーとなった

大野晶子[オオノアキコ]
翻訳家。成城大学文芸学部卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

absinthe

129
『イブの7人の娘たち』も魅力的だったがこちらも良本。流石。Y染色体は父系で遺伝。Y染色体に由来する様々なエピソードを紹介。遺伝子は利己的であるというが、個体に宿る遺伝子が協力して子孫を残すのではなかった。遺伝子はいくつか分かれており、それぞれの遺伝子はそれぞれの都合で子孫を残していた。ミトコンドリアにとって息子が重要でないのと同じ理由でY染色体にとって娘は重要で無かった。Y染色体は交配に関与しないため、分裂するたびに劣化が進む。数千世代で消滅の危機?2024/04/17

おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ

36
よくモノを無くす。無くしては、思い出す。子供の頃から、何かが無くなるとそれがいつまで自分の身の回りにあったのか記憶の書庫に潜り込んで探した。書庫には過去に見た映像と音とにおいと触感が全部残っていて、何もかも全てを思い出すことができた。ただラベリングされていないから、どこにあるのか探す時間さえあればだけれど。今は毎日毎日、家族の夢を見る。それが夢だと知って、毎日絶望する。泣いても嘆いても何も変わらないと立ち上がってみたけど、絶望の海を泳いでばかりだ。失ったと気づき、思い出せなくなる日が来るまで、ただ苦しい。2020/03/15

G-dark

16
Y染色体を巡る世界地図を描くかのような本。精力的且つ粗暴で戦争も引き起こすけれど、そのイメージとは裏腹に、男性のDNAは衰えつつある。既にオスを失った生き物は沢山いるけれど、ヒトのオスもまた、絶滅の危機に晒されていることが間違いない、と著者は言います。前作『イヴの7人の娘たち』の内容にも触れながら、男性による権力・戦争・略奪といった歴史、胎児の性別が決まるまでの過程などが考察されています。父親と母親からそっくりコピーされたDNAがお互いに組み合わさって変化していく様子を「抱擁」と呼ぶ著者のセンスが素敵。2018/09/15

Nobu A

14
「イブの7人の娘たち」に続き、本著も読了。2004年発刊。前著はアルプス山脈で発見された「アイスマン」から始まり、母親からのみ受け継ぐミトコンドリアDNAで遡り、7人のイブの娘たちの当時の生活を創造豊かに描写。翻って本著は父系のみ受け継がれるY染色体遺伝子が焦点。人類の生命史を検証し生存戦略を考察。チンギスハーンの末裔が1600万には驚愕。さしずめ日本では戦国武将、織田信長の染色体が繁殖しているのかと勝手に妄想。内容が著しく壮大が故、若干置いてけぼりを感じた。続編「アダムの運命の息子たち」も読まねば。2022/12/20

Hirohito

14
『イブの7人の娘たち』の続編。今度はY染色体。どこに性を決めるスイッチがあるのか?という学術的探求から始まって、前回ミトコンドリアを調べたポリネシアの住人のY染色体を調べた結果は?バイキングはどのようにアイスランドにやってきたのか?子孫の多いY染色体は存在するのか?次々に湧き上がる知的関心を丁寧に調べ上げていく。まるで上質な推理小説を読むようだ。Y染色体の横暴さが人類の爆発的発展と地球環境の急速な崩壊へとつながっているという。現代ではY染色体は数が減り、不活性になりつつあると言うが、その未来やいかに!?2014/03/18

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