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ヴィレッジブックス
“It”(それ)と呼ばれた子―少年期ロストボーイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784789719926
  • NDC分類 936
  • Cコード C0197

内容説明

「ぼくには、どこにも居場所がない」―すさまじい虐待から逃れ、ようやく子どもらしくのびのび暮らせると思えた里子としての暮らし。しかし、そこでも数々の試練が彼を待ち受けていた。母親から離れてもなお恐怖にさいなまれ、それでも母親に愛されたいという思いに心を揺さぶられる日々。学校や少年院でのつらい出来事や世間の偏見の目にさらされながら、それでも希望を捨てずに自分の生き方を探しつづける。カリフォルニア州史上最悪と言われた児童虐待の体験者が自ら明かす、少年期の記録。

目次

プロローグ 家から逃げる
第1章 泣きさけぶ天使
第2章 母さんとの裁判
第3章 ぼくもふつうの子?
第4章 父さんに会いたい
第5章 友だちの裏切り
第6章 母さんのわな
第7章 身代わりの弟
第8章 ぼくの居場所
第9章 旅立ち
エピローグ ふたたびロシア川へ

著者等紹介

ペルザー,デイヴ[ペルザー,デイヴ][Pelzer,Dave]
カリフォルニア州デイリーシティに生まれる。州史上最悪といわれた児童虐待を生きのび、その後、米空軍に入隊。一方で、自らの経験を活かして、カリフォルニア州各地の教護院および青年援助プログラムで活動を続ける。児童虐待にたいする一般の認識の向上およびその防止に力を注いだとして、米国内で高い評価を得ている

田栗美奈子[タグリミナコ]
翻訳家・桜美林短期大学講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

のっち♬

127
承認欲求から来る盗癖や悪戯が治らず里親の元や教護院を転々とした少年期。特に虐待の爪痕が色濃い適応期に当たった里親は相当な苦労を味わう。悪事へ誘う同級生、精神病院へ送る策略で呪縛の影を落とす実母、芝居掛かった保護観察官や航空の師など人物描写や構図は『オリバー・ツイスト』を想起させる。一方で深刻な里親不足や偏見にもコミット。横柄な精神科医も里子の隣で喧嘩する里親もいただけない。大人として生きる準備をしている期間に、「子どもでいられる最後の機会」と「わが家」を得ることが社会適応にいかに大切かを示す三部作第二部。2023/11/15

コージー

31
★★★★★第2段。母親の虐待を受けて育ったデイビットが、里子として育った12歳から18歳までの少年期の記録。虐待の描写を記録した幼年期の第1段はねっとりと絶望感で覆いつくされていたが、第2段は多くの支援者の手によって新しい人生を歩んでいく希望に満ちあふれている。ただし周囲の人間とのトラブルが絶えず、ハラハラどきの展開が満載だ。かなり濃い内容で、個人的には第2段の方が読みごたえがあった。そして、こうした子ども達を救うためには、虐待の芽を摘む社会システムがしっかり機能していることが重要だと強く感じさせられた。2021/07/18

Harωna

31
母親の愛が如何に大事であるか、里子に出されてからも母親の存在に呪われ続ける。母親の落とす影は子に多大な影響を与える。とにかく裁判で勝ったときは心からホッとした…。読んでるうちに自然と涙が溢れてくる(T^T)最後はハッピーエンドのようで良かった(^-^;里親制度についても色々と考えさせられる。2016/04/11

ひらけん

30
母親とは離れられたけど、そのトラウマからは逃げられなかったんやろな。母から壮絶なイジメを受けたから、大人を心底、信じれる事が出来ず、誰を信じていいのかわからなくなり、心のバランスが崩れてしまうと何が正しくて、何が間違っているのか自分でも分からなくなるんかな。でも、やはり母の愛をずっと求めていたのは印象的やったな。どんなにイジメにあっても、心の奥底は母親に愛して貰いたいって気持ちがずっとくすぶっていたからこそ、隠れてまで母親に会いに行こうとしたんやろな。主人公が大人になりどうなるのか。いざ、完結編へ。2017/02/25

青蓮

29
続きが気になって一気読みでした。母親の元から逃れられたことに一安心。けれども色々な問題を起こして里親を転々とすることに。彼は初めはどんな風に人間関係を作っていいのかが解らなかったんだと思います。あれほど恐ろしかった母への思慕が切なかったです。愛して欲しい、受け入れて欲しいと言う欲求。自分にも覚えがあるので凄くよく解る。デイブが一人立ちしていくラストは感動的でした。本当に彼は強い人間だと思いました。2013/11/22

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