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内容説明
女だけで運営された、世界に類を見ない花街「辻」に育てられた姐と戦後沖縄の物語…。
目次
第1部 戦前篇(尾類買い;辻の日々;初髪結い;戦争の地獄絵図)
第2部 戦後篇(捕虜収容所;敗戦と解放;生きていた妓供たち;戦後の夢 ほか)
著者等紹介
上原栄子[ウエハラエイコ]
大正4年(1915)6月、沖縄に生まれる。4歳のとき、「辻遊廓」に売られ、昭和19年(1944)までそこに暮らす。戦後、映画、ブロードウェイの舞台で話題となった「八月十五夜の茶屋」(松乃下)という料亭を経営。昭和27年(1952)、米国軍政府勤務のリチャード・ローズ氏と結婚、一児をもうけたが、昭和46年(1971)、夫に先立たれる。平成2年(1990)12月没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おに
4
本土の遊郭と全く違う沖縄の遊郭の歴史と伝統と概念。それにびっくり。テレビも映画も都合悪い歴史はなきものにしようとする昨今、こういったものは貴重。 そして日本軍、アメリカ軍に飲み込まれていく運命もただただ圧倒。しかも、文章はケロッと、というか、まったくまっすぐ生きてきた人のようで本当にアンマーの教育がしっかりとされてたんだな、と思う。なので読んでいて悲惨さはない。こんな歴史背景を背負った人が、ちょっと前までいたということにびっくり。2018/07/16
のんしおーね
3
戦前篇は既に文庫で読んだ内容なので、戦後篇を。波瀾万丈にして壮絶。ものすごいバイタリティ。この人の人生に比べると、自分の人生なんて、なんにもしてないのと同じだな。と思った。2014/02/09
Ken
3
沖縄の戦前からある遊郭で育ち、遊女からやがて米国人と結婚し一児をもうけ、妻・母として、そして戦中壊滅状態に陥った辻の街を再建した波瀾万丈の半生を綴った自叙伝。遊郭と言っても東京の吉原のような淫靡な廓でもなく、社交の場として、抱親(アンマー)が抱妓を規律正しく人情味ある女性に育てる人生学校とも言える。 辻のしきたりも面白く、また戦場と化した沖縄の悲惨な情景が目に浮かび、また辻の街を再建するまでの労苦やその後、乳癌に罹ったり争議に巻き込まれたりと受難の運命に晒されても強く生きる姿に応援しながら読んだ。2012/02/16
ftoku
3
時代や社会に翻弄された女性の人生2011/03/13
ゆかるりら
2
大正時代、沖縄で生まれ、4歳で辻遊郭に売られた上原栄子。辻遊郭での生活や商売、沖縄戦、捕虜としての生活、辻遊郭の再建、アメリカ人男性との結婚、子育て、ガン宣告、キャラウェイ旋風に巻き込まれての裁判……。とても濃い生涯。そもそもが沖縄に遊郭があった事も知らなかったので驚きました。2022/05/12