内容説明
「なぜ私を否定するの?」「どうして他のきょうだいばかり可愛がるの?」「私は生まれてこなければよかったの?」娘たちへ、苦しみを乗り越えるために。
目次
1部 普通の母親に潜むサイン(娘たちの叫び;母親の心の闇)
2部 ボーダーラインの母親の四つのタイプ(みなしごタイプ―はかなげな母親;かごの鳥タイプ―引きこもる母親 ほか)
3部 家族におよぼす影響(迷える子どもたち―「完璧な」子どもと「くずの」子ども;あてにならない父親たち)
4部 母親を愛するために(みなしごタイプの母親をもつ娘たちへ―救おうとしてはいけない;かごの鳥タイプの母親をもつ娘たちへ―恐怖をあおってはいけない ほか)
著者等紹介
ローソン,クリスティーヌ・A.[ローソン,クリスティーヌA.][Lawson,Christine Ann]
哲学博士。アメリカ、バトラー大学やインディアナ大学などで研究助手を務めたのち、インディアナ州インディアナポリスの民間医療施設においてソーシャルワーカーとして勤務。ボーダーライン患者のカウンセリングを行っている
遠藤公美恵[エンドウクミエ]
神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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城 マリカ
8
境界性人格障害の母親をもつ子供たちが、不合理な母親の振る舞いにいかに傷つき人生を狂わせられるか、またその子供たちが大人になった時、母親にどう対処しどう自立するか? 母娘の歪んだ関係性と克服のための指南が詳しく説かれています。著者はこの世界を『おとぎの国(ボーダーランド)』と名づけ、母親もおとぎの国にちなんで『みなしごタイプ』『かごの鳥タイプ』『女王タイプ』『魔女タイプ』の4つの傾向に分けています。母娘の抱える闇、恐ろしい攻撃性は自分にもあり完全なる善ではない。この病理はけっして無関係ではないと感じました。2013/08/14
るうるう
3
境界性人格障害の母親をもつ子供たち、特に娘の苦しみとその人生への影響を詳しく解説していく。後半では、そうした子供たちが大人になり、ある程度の力をもった時、昔と変わらぬ精神的な暴力をふるい続ける母親たちに対し、どう振舞うかを指南する。こういう母親は自分だけの狭いルールに縛られた小さな世界に生きていて、無力なわが子をそこにつなぎとめる。本書はその世界を非現実的な力が作用するおとぎ話の世界にあてはめ、ハハオヤたちを女王や魔女やみなしご、かごの鳥に分類する。筆者の心のこもった筆致に癒され、励まされる。2012/12/25
nico
2
ほとんど流し読みしてしまったが、自分の母にも当てはまる症状をいくつも見つけた。私もずっと「完璧な子」を求められてきた。必死で母を支えようとしてきた。自分のことを「かわいそう」という母を、家族の悪口を言う母の言葉を信じ、「私が母を助けなきゃ」と本気で思っていた。一貫性がない母の言動にずっとふりまわされてきたと思う。ボダの母親がボダの子を育てる。その連鎖を断ち切れるように、4つのタイプに当てはまらない母親になろうと思った。2016/12/16
さくらい
2
境界性人格障害をおとぎ話の登場人物に合わせてタイプ別で説明しているけれど、それによってボーダーで苦しんでいる読者を「悲劇のヒロイン」に仕立て上げかねないと思いました。また結局著者がボーダー体験者ではないので、内容にボーダーに向けた皮肉を思わせる部分もあります。回復に真剣に取り組みたい方にはおすすめできないです。2010/07/01
けだまこだま
1
ボーダーは情緒不安定なためいつ理不尽にキレるか分からず、子供は怯える。2024/03/19