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スケートボーディング、空間、都市―身体と建築

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  • サイズ A5判/ページ数 349,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788510142
  • NDC分類 784.68
  • Cコード C1036

出版社内容情報

 スケートボーディングは身体による建築批評であり、新たな都市空間の創造である--一見、子どもの遊びと思われがちなスケートボーディングが、じつは、現代建築の資本主義的性格への批判であり、飼いならされた、陳腐化した日常生活への抵抗であり、それらに代わる新たな生き方としての「カウンターカルチャー」であることを、当のスケートボーダーたちの経験、彼らの身体と肉声をとおして鮮やかに描き出した独創的な作品です。スケートボーディングの進化、その躍動する批評性を語る数々の伝説的な名写真も本書の大きな魅力、すでに10を超える国々で翻訳・出版されています。

 スケートボーディングは地域的であって、基本的にストリートのミクロ空間と関わるものでありながら、同時に全世界に広まって増殖している行為でもあり、世界中の何千万もの人々がおこなっている。それは現代の街の物的な建築に呼びかけるが、今ひとつの別の対象としてではなく、動的な存在として応答する。体系的にはほとんど何も述べないが、並外れた広がりをもつ言明と意味を無言のうちに提示する。空間を生み出すが、それだけでなく時間と自己をも生み出す。スケートボーディングは絶えず抑圧され規制されてきたが、拒否的な破壊によってではなく、創造性と欲望の生産によって対抗する。歴史をもつが、それには無頓着であって、現在とすぐの未来の即時性を好む。道具(スケートボード)を必要とするが、それは身体と一体化される。大いに努力が必要だが、交換のための商品は何も生産しない。高度に視覚的だが、単なる映像のスペクタクルに堕すことは拒絶する。郊外で始まったが、都市の葛藤の中核であるダウンタウンにやって来た。子どもの遊びにように見られるが、多くのスケートボーダーにとって、これは、完結した、もう一つの生き方に他ならない。したがってスケートボーディングは、物としての建築ではなく、空間・時間・社会的存在の生産としての建築なのである。(「はじめに」より)

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 【関連書籍】
 『 マス・コミュニケーション理論 』 バラン、デイビス著 (上3780円 下3465円 2007.5月)
 『 空間管理社会 』 安部潔、成実弘至 編 (定価2520円 2006)
 『 文化理論用語集 』 P・ブルッカー著 (定価3990円 2003)

 【新 刊】
 『 ワードマップ エスノメソドロジー 』 前田泰樹ほか編 (定価2520円 8月刊行予定)

内容説明

スケートボーディングは躍動する身体による建築批判であり、都市空間の再創造である。すでに10ヶ国を超える国々で翻訳紹介された話題作。

目次

1章 はじめに
2章 装置
3章 見出された空間
4章 建造された空間
5章 身体空間
6章 サブカルチャー
7章 都市の構成体/作曲
8章 街を演じる
9章 しめくくり、そして次への扉

著者等紹介

ボーデン,イアン[ボーデン,イアン][Borden,Iain]
イギリス生まれの建築史家。ロンドン大学(UCL)大学院バートレット建築学校教授・同校ディレクター。UCLAおよびUCL大学院卒業

齋藤雅子[サイトウマサコ]
翻訳業。東京工業大学大学院(建築史)、ロンドン大学(UCL)大学院(社会人類学)修了。身体表現と空間との関係について関連書籍の翻訳とともに考察をおこなっている

中川美穂[ナカガワミホ]
ロンドン大学(UCL)大学院バートレット建築学校博士課程(建築理論)在学中。東京工業大学卒、ロンドン大学(UCL)大学院バートレット建築学校修士(都市デザイン)首席卒業。米国建築史家協会学生賞受賞。専門は空間理論。アニメ・映画の空間を分析

矢部恒彦[ヤベツネヒコ]
博士(工学)。法政大学助教授。多摩美術大学、東京工業大学大学院、千葉大学大学院(建築・都市計画)卒業。専門は都市景観論。スケボーなど、街なかのポピュラー文化を調査研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kaz

2
おそらく唯一のスケボーを題材とした本格的な建築、空間論。アンリ・ルフェーブルの思想を軸に、スケボーのような人間の活動が建築や空間をどのように変化(再生産)させるかを論じている。スケーターたちは「空間の目的は交換ではなく使用」であること、「所有ではなく社会的な富としての豊かさ」を示す。永続的な所有ではなく、一時的に流用することでの使用。そこでは身体・道具・建築の境界線が消え、リズミカルな一瞬だけの超-建築空間となる。スケーターたちは街を独自に編集し、一つ一つのエレメントの連なりとして建築を捉え直す。2020/04/07

hgw

0
おおよそ想定したとおりの内容。しかし情報量が半端ない。2009/07/03

両目洞窟人間

0
読んだけども、とはいえ、半分もわかってない…。難しい本だった。でもスケボーの歴史はすごくわくわくしたし、都市を使い一瞬を楽しんでいくスケーターのことを一種肯定していく内容は痛快でもあった。アンリ・ルフェーブルの本を読んで再読したい…。 都市をどう見ていくか、どう使うか、ということで、スケーターの身体性とは違うけども、自分に還元するならばどう写真を撮るか?とかどう小説に落とし込むかってことを考えてしまった。 都市を使う、街を利用する、街の見方を変える。そのことを考えたくなる本だった。2024/04/05

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