出版社内容情報
「9・11以降、世界は変わった」といわれるが、その鍵を握るのがイスラームです。にもかかわらず、私たち日本人は、イスラームのことをほとんど知りません(あるいは誤解しています)。世界中の文化を貪欲に吸収してきた日本人にとって、いまなお最も遠い文化、このイスラームを、生活・思想・歴史・政治などの新鮮なキイワードを手がかりに、多面的に明らかにしていきます。まず、人びとが現在いかに生活しているか、その日常生活から始めて、生活と一体となったその宗教の特異性を共感をもって描きだし、そして深みのある歴史から現代政治にまで及びます。
きわめて多様でありながらも、「イスラーム」という点において、なにがしかの共通性を持つ世界--それがイスラーム世界である。実は「イスラーム」そのものも、各地の文化と融合して生きてきた以上、多様性を内包している。しかし、多様性を内包しつつも、いくつかの共通性を持っているがゆえに、それらのすべてをイスラームという語でくるむことが可能となり、イスラームとイスラーム世界は「多様性と統一性」というキーワードで語られるのである。本書は、そのような多様性と統一性を合わせ持ち、共通性を持ちながらも複雑で限りない具象のなかに展開し、五大陸に広がって、人類の歴史と文明の重要な担い手の一つとして生きてきたイスラームに迫っていきたい。重要なキーワードを通して、七世紀におけるイスラームに迫っていきたい。重要な基本キーワードを通して、七世紀におけるイスラームの誕生や基本的な教養をとらえ、独自の世界観や固有の社会像を理解し、さらに具体的なムスリムの人生の様子を通して、彼らの生き生きとした暮らしに肉薄してみたい。(「はじめに」より)
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【関連書籍】
『 現代日本人の宗教 【増補改訂版】』 石井研士著 (定価2520円 2007)
『 いま問い直す自己責任論 』 イラクから帰国された5人をサポートする会編 (定価1995円 2005)
『 ヨーロッパ人類学 』 森明子編 (定価3360円 2004)
【新 刊】
『 モハメド・アリ 』 C・レマート著 (予価3675円 7月刊行予定)
内容説明
21世紀世界の運命をにぎるイスラーム。宗教と生活が一体となった独自の文化を、その日常生活から始めて、歴史的・思想的に描出し、現代政治にまで及ぶ。イスラーム理解に必携の書。
目次
1 宗教としてのイスラーム
2 生活様式としてのイスラーム
3 知の体系としてのイスラーム
4 歴史のなかのイスラーム
5 ムスリマ・ムスリム群像―歴史と現代
巻末対談 イスラーム遊学の誘い
著者等紹介
小杉泰[コスギヤスシ]
1953年北海道生まれ。エジプト国立アズハル大学卒業。法学博士(京都大学)。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授。専門は、イスラーム学、中東地域研究
江川ひかり[エガワヒカリ]
1961年東京生まれ。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学。文学修士(お茶の水女子大学)。立命館大学文学部助教授。専門は、トルコ近代史、オスマン帝国社会経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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