出版社内容情報
言語と思考は、人間をほかの生物からハッキリと分ける最も根源的(エレメンタル)な働きで、それだけにピアジェやヴィゴツキー、チョムスキーら有数の学者がその研究に挑んで様々な理論を生みだし、興味深い事実を明らかにしてきました。本書は、これら先達の研究と、それを起点により精緻に発展しつつある新しい成果を、日常的な話題をまじえて誰にでも理解できるように親しみやすく説いたものです。
言語は私たちの生活の多くの面に影響を与え、話すこと、読むこと、書くことなど幅広いトピックをカバーしており、本書で言語のすべてについて検討することは不可能である。したがって本書は、言語のいくつかの側面に焦点をあてていく。なかでも、言語と思考は相互依存が強いと考えられるので、焦点の1つとなるのは、言語と思考の関係(第2章)である。また、言語は、私たちが他人をどう認識するかに影響を与えると考えられるので、もう1つの焦点となるのは言語の社会的、文化的側面(第3章)である。最後に、言語の発達であるが、まず言語習得過程の研究(第4章)を見て、そのあと、言語習得論(第5章)について論じる。(「第1章 序章」より)
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【関連書籍】
『 記憶・思考・脳 』 横山詔一、渡邊正孝著 (定価1995円 2007)
『 大脳皮質と心 』 J・スターリング著 (定価1890円 2005)
『 言語と脳 』 オブラー、ジュアロー著 (定価3045円 2002)
内容説明
ことばがなくても思考は可能か?この古典的で現在も進歩しつつある問題を起点に言語と思考研究の精髄に至る奥行き深い入門書。
目次
第1章 序章
第2章 言語と思考の関係
第3章 言語の社会的、文化的側面
第4章 言語習得
第5章 言語習得の理論
第6章 問題解決
第7章 意思決定
付章 鍵となる研究の要約
著者等紹介
ランド,ニック[ランド,ニック][Lund,Nick]
マンチェスター・メトロポリタン大学上級講師(Senior Lecturer)
若林茂則[ワカバヤシシゲノリ]
1962年三重県一志町(現、津市一志町)生まれ。ケンブリッジ大学博士(Ph.D.)修了。中央大学文学部教授
細井友規子[ホソイユキコ]
東京都生まれ。イリノイ州立大学アーバナシャンペーン校、マギル大学で修士号取得。アメリカ、カナダ、日本で語学教育に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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