出版社内容情報
「属人主義」とは、判断の根拠を内容ではなく人に置く企業風土を言います。トップのツルの一声で何事も決まる、誰さんの言うことだから間違いがない、組織のよくあるパターンです。うまくいくときは効率がよくても、危機に際してはトンデモナイ落とし穴になりかねません。世間を大きく騒がせた企業危機の具体的な事例から属人主義の問題点を例証し、対処のための社会技術を詳細に解説します。
「属人的組織風土」は・・・一言で言うなら、提案や発言の正邪・当否の判断が、発言者がだれかということによって大きく変わる風土である。社長や部長の発言なら正しく、同じ内容でも課長補佐の発言なら正しくないとみなされるような風土である。・・・属人風土が強い組織や職場では、組織的違反が多く行われ、多く看過されていることを見出した。そして、組織的違反を防ぐためには、他の要素よりも何よりも、組織風土を改善し、属人思考を低くすることが必要であることを実証した。(「まえがき」より)
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【新 刊】
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内容説明
続発する大企業、官公庁の不祥事や事故隠し。その背景には、属人思考の組織風土がある。では属人思考とは何か?どう克服するか。
目次
第1部 プロローグ―産業界にはびこる属人思考(不祥事を生む組織風土;属人的組織風土とは?;産業界における属人的組織風土の影響)
第2部 属人思考を摘出する(属人思考と組織的違反;属人思考と職場の特性;個人のバックグラウンドと属人思考)
第3部 属人思考を乗り越える(組織の属人度を測り、対処する;組織リーダーにできること;組織としてできること)
著者等紹介
岡本浩一[オカモトコウイチ]
1955年大阪府生まれ。社会心理学者。東洋英和女学院大学人間科学部教授。社会学博士。1980年東京大学文学部卒業。1985年、同大学大学院社会学研究科第一種博士課程単位取得満期退学。オレゴン大学にフルブライト助教授として留学し、P.スロヴィック博士よりリスク心理学を学ぶ。JCO臨界事故、東電シュラウド傷不報告事例などで政府の調査委員をつとめた。2001~2005年(独)科学技術振興機構社会技術研究システム社会心理学研究グループリーダー兼務。現在、内閣府原子力安全委員会専門委員など。また、茶人としても知られ、学校法人裏千家学園茶道専門学校理事
鎌田晶子[カマダアキコ]
1970年秋田県生まれ。文教大学人間科学部専任講師。博士(心理学)。1992年日本大学文理学部心理学科卒業。日本大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程修了。(独)科学技術振興機構社会技術研究システム社会心理学研究グループ専門研究員を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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