出版社内容情報
「理論社会学」はいわば、現実を紡ぎ出す根底部分の「社会」の、構造と機能を解明する知恵です。ヴェーバー、デュルケーム、パーソンズ、バーガー、ブルデューら数々の巨星が遺してきたその知恵の蓄積を、検討し、活かし、未来にひらく14の試みが、本書におさめられています。全体は6部構成、1部と2部で戦後日本における理論社会学の系譜を概観し、その中核を成した「社会システム論」を取り上げ、続く3部以降では政治、経済、文化、意味をそれぞれ「社会」との関係において論じた諸理論を読み直します。
理論社会学は、日本社会のあり方が変化してきたことにともなう、個人と社会の間の国内的な関係、および国民社会のあいだの国際的な関係について、発言しなければならない。そのような日本社会のおかれた国内的、国際的な現実を、現代社会のさまざまな理論を用いながら解明することが、本書の目的である。(「編者序言」より)
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【関連書籍】
『 社会科学の理念 』 P・ウィンチ著 (定価2100円 初版1977を復刊)
『 現実の社会的構成 』 バーガー、ルックマン著 (定価3045円 2003)
『 ワードマップ エスノメソドロジー 』 前田泰樹ほか編 (定価2520円 8月刊行予定)
内容説明
ヴェーバー、デュルケーム、パーソンズ、バーガー、ブルデューら巨星の遺した知恵の蓄積を、検討し、活かし、未来にひらく14の試み。いまの社会学界の中核を担う著者陣による、現在進行形の「理論的探究の現場」への招待。
目次
第1部 理論社会学を求めて(理論社会学から見た国民社会―グローバル化のなかでの日本社会と世界社会;規範的探求としての理論社会学―内部性と構築性という条件からの展望)
第2部 社会システム理論(進化的変動論としてのパーソンズ社会学―不確定性と超越;社会システムの脱人間化と脱主観化―社会システムはいかにして世界を認識するか ほか)
第3部 政治と社会(近代性をめぐるパーソンズとバウマン―ナチズムと社会主義の解釈;国民国家の社会理論―「国家」と「社会」の観点から)
第4部 経済と社会(贈与の論理、経済の論理―贈与と経済の分岐点;新しい経済社会学―グラノヴェターの「埋め込み」概念を中心にして)
第5部 文化と社会(ハビトゥスとしての芸術―ブルデュー芸術社会学の射程;儀礼の社会理論―呪術からの解放を超えて ほか)
第6部 意味と社会(過去を担う自己と社会―物語とカテゴリーの社会学;羅生門問題―エスノメソドロジーの理論的含意)
著者等紹介
富永健一[トミナガケンイチ]
1931年東京都生。東京大学文学部社会学科卒業。東京大学大学院博士課程単位取得。博士(社会学、東京大学)、(経済学、京都大学)。東京大学名誉教授。社会学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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