出版社内容情報
ことばの意味とは何か? 文字で書かれたこと・話し手が話したことばが意味のすべてか(字義主義)? あるいは、受け手がそれを文脈に照らし合わせて積極的に読み取ったものも含めて意味が生まれるのか(コンテクスト主義)?言語学・哲学の世界で長らく繰り広げられてきた、この大きな問いをめぐる論争に、ヨーロッパ分析哲学会の設立者の1人で、その会長を務めた経験もあるフランソワ・レカナティが、双方の主張をくまなく検討し、徹底的に吟味し尽くした注目作。
私は単に字義主義を批判しコンテクスト主義支持論を展開するだけではない。意味論と語用論のインターフェースに関する現在進行中の論争の中で実際に指示されている考えに相当するあらゆる種類の中間的立場について議論していくつもりである。私の見解を受け入れるにせよ受け入れないにせよ、私が提供する論理空間を渉猟することが、論争に興味を抱く人々にとって役に立ち、やがていつの日かこの論争の帰結を形作る上で貢献することを希望する。(「序章」より)
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【関連書籍】
『 言語と思考 』 N・ランド著 (定価1890円 2006)
『 文化理論用語集 』 P・ブルッカー著 (定価3990円 2003)
『 現代言語論 』 立川健二、山田広昭著 (定価1890円 1990)
内容説明
ことばの意味は文そのものに宿るのか?それとも文脈に抱かれた発話行為から産まれるのか?分析哲学界・言語哲学界を二分してきた大論争に終止符を打つ気迫の力作。
目次
1章 「言われていること」への二つのアプローチ
2章 第一次語用論的プロセス
3章 関連性理論からの反論
4章 融合的理論
5章 非字義的用法
6章 字義主義からコンテクスト主義へ
7章 指標主義と束縛の誤謬
8章 評価の環境
9章 コンテクスト主義―どこまで徹底できるか?
終章 結論