出版社内容情報
かつてのCMソングからイメージソング、そしてタイアップソングへ、広告音楽と言われるものは、めざましい変化をしてきました。いまや、あらゆるヒットソングは何らかのかたちで広告と結びついています。広告抜きに音楽を語ることはできない時代になりました。この「広告音楽化社会」ともいえる時代の変容を、歴史的に、あるいはカルチュラル・スタディーズやエスノグラフィーなどの方法を駆使して明らかにしようとします。音楽制作の現場と受容者へのインタビューやアンケート調査などをとおして浮かび上がってくるのは、現代社会における広告・音楽・メディア、そしてライフスタイルの劇的な変容です。巻末にイメージソング、タイアップソングのリストを付します。
50年を超える広告音楽の歴史は、イメージソング以前とイメージソング以後と、大きく二つの時期に分けることができる。イメージソングは、広告音楽としてテレビ・コマーシャルのなかで流されながらも、同時にレコード商品としても販売されるという曲であり、一九七〇年代半ばに現れた。イメージソング以前の広告音楽史は、一般の流行歌とはまったく違う世界を形成したCMソングがしだいに一般の流行歌と融合して、ついにはイメージソングとして結晶化する過程と見ることができる 。そして、イメージソング以後の広告音楽史は、イメージソングが変質してタイアップソングとなる、また広告音楽自体が歌(ソング)だけではなく多様化していく時代である。(「第一章 日本の広告音楽の歴史」)
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【関連書籍】
『 マス・コミュニケーション理論 』 バラン、デイビス著 (上3780円 下3465円 2007)
『 空間管理社会 』 阿部潔・成実弘至編 (定価2520円 2006)
『 メディア時代の文化社会学 』 吉見俊哉著 (定価2940円 1994)
【新 刊】
『 メディアオーディエンスとは何か 』 ロス、ナイチンゲール著 (予価3360円 10月刊行予定)
内容説明
コマーシャルソングからイメージソング、そしてタイアップソングへ。広告音楽の変容を、現代社会における音楽・広告・メディアのあり方、ライフスタイルの変容として、多面的に跡づける。
目次
第1章 日本の広告音楽の歴史(CMソング創生期(一九五一‐五八年)
CMソング展開期(一九五九‐六六年) ほか)
第2章 広告音楽とその作り手たち(広告音楽の制作過程;作り手たちの広告音楽観 ほか)
第3章 広告のなかの音・音楽(現代テレビCM表現の一般的傾向;CMのなかの音・音楽)
第4章 広告音楽受容のエスノグラフィー(メディアの社会空間とオーディエンス;広告と音楽受容のエスノグラフィー ほか)
第5章 多メディア時代の広告と音楽(広告音楽とメディア受容;オーディエンスをどうとらえるか ほか)
著者等紹介
小川博司[オガワヒロシ]
関西大学社会学部教授。専攻:メディア文化論、音楽社会学
小田原敏[オダワラサトシ]
武蔵大学社会学部教授。専攻:メディア論、コミュニケーション論
粟谷佳司[アワタニヨシジ]
関西大学、大阪産業大学、佛教大学非常勤講師。専攻:文化社会学、メディア研究
小泉恭子[コイズミキョウコ]
愛知教育大学教育学部助教授、Ph.D(ロンドン大学)。専攻:応用音楽学、ジェンダー論
葉口英子[ハグチヒデコ]
中部大学非常勤講師。専攻:音楽学、メディア文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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