帝国と暗殺―ジェンダーからみる近代日本のメディア編成

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帝国と暗殺―ジェンダーからみる近代日本のメディア編成

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  • サイズ A5判/ページ数 412p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788509689
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C1090

出版社内容情報

 近代の国民国家は活字メディアを通して「想像の共同体」として形成されたというのは、B・アンダーソンの説ですが、本書は、明治期の新聞・小説・広告などに頻出した、病いや血や女性身体、植民地をめぐる、差別と定型の物語を題材に、日本という国が立ち上がってきた過程をさぐります。さらにそれが、閔妃(朝鮮王妃)暗殺、伊藤博文暗殺、明治天皇暗殺計画としての大逆事件といった、定型をはみ出す「暗殺」の物語になだれ込んでいく過程を追いながら、メディア共同体の欲望、近代の背理をえぐり出します。

 暗殺をめぐる物語は、メディアの濃くて深い欲望と媾わりながら、価値のあるスキャンダルとして増殖し続けた。活字としての日本語には厚い記憶が埋め込まれているが、逆説的なことに、ほかならぬ言葉の記憶が、現在における細部の忘却を促している。 メディア上に氾濫していたそのような物語は、登場人物としての女、女のイメージ、記号としての女、女の比喩を幾重にも連鎖させ、魅惑と嫌悪の対象に仕立てあげた上で、女を傷つけ、殺し、葬ろうとする。こうした女なるものへの殺意や悪意は、「東電OL事件」報道で、被害者の女性に向けられたメディアの欲望と同じパターンを描いていると言えるだろう。そこには、物語の定型が刻印されているのだ。 物語の定型を抽出し、再現するのではなく、物語が定型として化してゆく過程で生じた、いまでは忘れ去られてしまった意味の軌跡をたどること。それは、歴史が現在の現実に切り結んでいると知ることでもあるだろう。(「はじめに」より)

【目 次】
第一部 物語のほころび
第一章 病と血
 1紋切り型/2衛生論と福沢諭吉/3細菌と北里柴三郎/4身体と境界/5未来の危険
第二章 女たち
 1皇后/2娼妓/3女学生/4女性論と広告メディア/5血の道/6化粧・皮膚・子宮
第三章 植民地
 1北海道/2アイヌ・病・女/3滅亡とあわれみ/4混血
第二部 スキャンダルとしての暗殺
第四章 王妃と朝鮮
 1閔妃という女/2金玉均の暗殺/3王妃の死体/4メディアの殺意/5皇后の国葬
第五章 死者たち
 1王妃なき朝鮮/2皇帝の醜聞/3大韓帝国の皇太子/4伊藤博文の暗殺/5誤解される安重根/6妃たちの病気と物語の更新
第六章 天皇と暗殺
 1大韓帝国併合/2天皇制とセクシュアリティ/3無政府主義の病/4王妃の記憶と管野須賀子/5天皇の病死
おわりに
註/あとがき
朝鮮王朝の系図/初出一覧/関連略年表/文献一覧/索引

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 【関連書籍】
 『 <朝鮮>表象の文化誌 』 中根隆行著 (定価3885円 2004) 
 『 <民主>と<愛国> 』 小熊英二著 (定価6615円 2002)
 『 創造された古典 』 ハルオシラネ、鈴木登美編 (定価4000円 1999)

内容説明

メディアのなかにあらわれた病、女、血、アイヌをめぐる差別と定型の物語から、韓国併合、閔妃暗殺、大逆事件などの暗殺をめぐる物語まで。物語のほころびをとおして、帝国日本の成立過程をさぐる気鋭の論考。

目次

第1部 物語のほころび(病と血;女たち;植民地)
第2部 スキャンダルとしての暗殺(王妃と朝鮮;死者たち;天皇と暗殺)

著者等紹介

内藤千珠子[ナイトウチズコ]
1973年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士号取得。日本学術振興会特別研究員を経て、日本大学・工学院大学・早稲田大学などで非常勤講師。近代日本語文学、文芸批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。