霊長類のこころ―適応戦略としての認知発達と進化

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霊長類のこころ―適応戦略としての認知発達と進化

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  • サイズ B6判/ページ数 407,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788509627
  • NDC分類 489.9
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 一方にチンパンジーやゴリラなどの知的能力を研究する流れがあれば、他方、人間の赤ちゃんや子どもの心の発達を研究する流れがあります。そのそれぞれについての解説書はたくさんありますが、本書の特徴は、この二つの流れをはじめて一つにまとめたところにあります。すなわちサル、類人猿、人間、つまり霊長類の認知の発達を、進化という統一的視点から位置づけ、吟味しているのです。

 サルや類人猿の研究から、人間の子どもの心の発達について、どんなことがわかるのだろう? ・・・中略・・・ 私たち人間の心は、他の霊長類の心に認められる、より広い進化的パターンの一部であるということだ。そこでもっとも重要な特徴は、適応戦略としての発達である。ほとんどの霊長類では、一生の間のかなり長くが、赤ん坊期と子ども期で占められる。霊長類は赤ん坊期が長く、発達がことさらゆっくりとしているのが特徴なので、人生をこんな危ういやり方で始めることには、何か特別の恩恵があるのだろう。そういう恩恵の一つは、物理的環境と社会的環境を含めて、彼ら自身の世界をより詳しく、より柔軟に知られるようになることであり、その結果として、より柔軟で適応的な行動を生み出せるようになることである。(「まえがき」より)

第1章 手と顔と赤ん坊時代--霊長類の心の起源
 霊長類/目と手/顔の進化/幼児の進化/表象と発達の進化
第2章 物体の世界の認識
 物体を見つける/霊長類と他の動物とが物体を表象するやり方/複数の感覚様式による表象/物体と出来事について考える/物体の世界
第3章 実行的な知能--物体を用いて何かをする
 動いている物体/物体の永続性/行為の永続性/行為の前に知る/実行的な知能/物体を使って何かすることを発見する/まとめ
第4章 物体間の関係の理解--因果関係
 原因と行動/道具を使って原因を理解する/チンパンジーの「馬鹿さ加減」/霊長類の因果関係の理解と誤解/観察された因果関係/まとめ
第5章 物体の関係の論理
 同じと違う/「同じ」を使ってテストする/複雑な論理的関係の理解/自発的な物体操作の論理/霊長類の論理
第6章 世界の中の物体
 心的地図/紙に書いた地図を理解する/霊長類が持っている、空間の中の物体の表象/まとめ
第7章 顔、身振り、鳴き声
 ベルベット・モンキーの単語と世界/シンボルのない指示/まとめ
第8章 他の主体を理解する
 心と行動を理解する/霊長類の注意の理解/知識(または無知)を理解する/まとめ
第9章 社会的学習、模倣、そして文化
 類人猿、発話、文化に関するレフ・ヴィゴツキーの考え/社会的学習と文化的適応/霊長類の文化に対する批判/社会的学習と文化伝達の再考/人間の家にいる類人猿/まとめ
第10章 自意識と言語
 自意識/言語という才能/言語を模造する
第11章 比較から学ぶ--認知発達の進化
 表象する心/発達する心/すでにそこにあることの発達/認知の進化における連続性と不連続性/類人猿はヒトの祖先ではない/実行的な認知の見通し/跳躍する心/跳躍的愚かさ
訳者あとがき
文 献/事項索引/人名索引

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 【関連書籍】
 『 心の発生と進化 』 D・プレマック、A・プレマック著 (定価4410円 2005)
 『 進化心理学入門 』 J・H・カートライト著 (定価1995円 2005)
 『 人間はどこまでチンパンジーか 』 J・ダイアモンド著 (定価5040円 1993)

内容説明

サル・類人猿・人間共通の起源と変異。サルや類人猿の知能研究から人間のこころについて何がわかるか?物体の認知と操作、因果の理解、情報処理、自意識、言語などなどの興味深い話題をとおして心の進化と発達の“なぜ”を解く。

目次

手と顔と赤ん坊時代―霊長類の心の起源
物体の世界の認識
実行的な知能―物体を用いて何かをする
物体間の関係の理解―因果関係
物体の関係の論理
世界の中の物体
顔、身振り、鳴き声
他の主体を理解する
社会的学習、模倣、そして文化
自意識と言語

著者等紹介

ゴメス,ファン・カルロス[ゴメス,ファンカルロス][G´omez,Juan Carlos]
マドリッド自治大学(スペイン)卒業。1992年心理学でPh.D.1995年メディカル・リサーチ・カウンシル(ロンドン)認知発達研究所客員研究員。1996年よりセントアンドリュース大学(スコットランド)心理学部講師。人間の乳幼児、自閉症児、ウィリアムズ症候群の子ども、および類人猿、サルのコミュニケーションや社会的認知の比較発達研究に従事している

長谷川眞理子[ハセガワマリコ]
東京都生まれ。1976年東京大学理学部生物学科卒業。1983年同大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。早稲田大学政治経済学部教授。専門は行動生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。