対話の回路―小熊英二対談集

個数:

対話の回路―小熊英二対談集

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ B6判/ページ数 364p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788509580
  • NDC分類 304
  • Cコード C1030

出版社内容情報

 『単一民族神話の起源』『〈日本人〉の境界』『〈民主〉と〈愛国〉』と次々に話題の大作を世に問うてきた著者の対談は、さすがに密度が濃く、読みでがあります。相手は村上龍、島田雅彦、網野善彦、谷川健一、赤坂憲雄、上野千鶴子、姜尚中、今沢裕の八氏、この手強い方々の著作をほとんど全部読んでから対談に臨み、対談の後も徹底的に推敲するというのですから、その緊張感と迫力はただならない。国家・〈日本〉・アジア・歴史・民俗などをめぐって相手に執拗に食い下がり、その神髄に迫ろうとする姿勢は、相手への敬意、思想への愛情なしには成り立たないものでもあります。世評の高い『戦争が遺したもの』に勝るとも劣らない、対談集の傑作です。

 本書は私が一九九九年から二〇〇三年までに行った対談を集めたものである。
 私自身がかつて出版社に勤めていたので、その経験からもいえることだが、対談ほど安易にやろうとすれば安易にできてしまうものはない。また一方で、真剣によいものにしようとすれば、大変な作業が必要になるのが対談というものである。
 当然のことだが、対談は一種のコミュニケーションである。対談と称して、通り一遍のあいさつや、あたりさわりのない四方山話ですますことはできる。だが本当に相互の神髄に食い込むほどのコミュニケーションをはかることが、日常生活において困難なことであるように、充実した内容の対談を実現するのはむずかしい。
 まずよい対談を実現するためには、相互の信頼が不可欠だ。相互に信頼や尊敬が成立している場合には、相手の深層に迫るような質問を行ない、深いコミュニケーションをはかることが可能になる。逆に言えば、相手に対して信頼や敬意、予備知識や感心がない場合ほど、あたりさわりのない会話だけですまそうとする傾向が強くなる。
 この対談集で私の対談相手となっているのは、作家や学者など、何らかの表現にたずさわっている人びとである。こうした人びとと信頼関係を築くためには、相手の作品を読み込み、「私はあなたの作品に接している。そして評価している」という姿勢を示すことが必要だ。そうでなければ、相手の信頼を得ることはむずかしい。
・・・・・・対談は共同作業だから、私の努力だけではどうにもならない部分があったり、準備や質問が的外れだったりしたこともある。この対談集に収録された対談も、完璧な作品ばかりとはいえない。
 しかしさまざまなハードルをのりこえて、対談がうまくいったときは、楽しいものである。人間誰しも、通り一遍のやりとりをこえて、深い部分での対話の回路が成立したと思える瞬間は、たのしいものだということは知っているだろう。願わくば、この対談集の読者にも、そうした楽しさを共有していただければ幸いである。(「あとがき」より)

 ・「 お手軽な作りばかりの対談集の中にあって、本書は一頭地を抜く。」(05.09.25朝日新聞 野村進氏評)

----------------------------------------------------------

 【関連書籍】
 『 戦争が遺したもの 』 鶴見俊輔,上野千鶴子,小熊英二著 (定価2940円 2004)
 『 <民主>と<愛国> 』 小熊英二著 (定価6615円 2002)
 『 日本人の境界 』 小熊英二著 (定価6090円 1998)
 『 単一民族神話の起源 』 小熊英二著 (定価3990円 1995)

内容説明

『「民主」と「愛国」』その他の著書で知られる著者が、文学者、歴史学者、民俗学者、社会学者などさまざまなジャンルの人びとと、国家・「日本」・アジア・歴史・民俗などをめぐって討論する。真摯でスリリングな対談集。

目次

「日本」からのエクソダス(村上龍)
同時多発テロと戦後日本ナショナリズム(島田雅彦)
人類史的転換期における歴史学と日本(網野善彦)
柳田の経世済民の志はどこにいったのか(谷川健一)
「有色の帝国」のアジア認識―柳田思想の水脈と可能性(赤坂憲雄)
戦後思想の巨大なタペストリー―『「民主」と「愛国」』をめぐって(上野千鶴子)
ナショナリズムをめぐって(姜尚中)
秘密の喫茶店(今沢裕)

著者等紹介

小熊英二[オグマエイジ]
1962年、東京生まれ。1987年東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て、98年東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻大学院博士課程修了。現在、慶応義塾大学総合政策学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

КИТАРУ МУРАКАМУ

3
小熊さんの問題関心に添うならば、「共同体の解体」と「パブリックの再考」といったテーマが対話のモチーフとなっているのだろうか。『〈民主〉と〈愛国〉』が上梓され、小林よしのりさんの『戦争論』が論争を呼んでいた頃ね。いかなる言葉で「ネーション」について語るかは、その立ち位置のとりづらさを含めて、それぞれの課題なのだろう。対話のクオリティはバラつきがあり。個人的に喫茶店のマスターでもある今沢さんとの対話が面白い。2012/09/15

Koike Katsuya

1
網野善彦さんとの対談は網野さんの対談集で読んでいたけど、もう一度読んでも面白い。特に網野さんと谷川さんとの対談は抜き身の真剣での果し合いのように緊張感がある。民俗学者との対談が多いせいもあって、柳田國男をちょっとわかったような気になった。2014/08/27

遠山太郎

1
小熊さんのスタイルもあってか(個人史・批評・解釈の受容>上野千鶴子)、人生を語らせる対話で面白い。もっと知識が着いてから読みたい。×村上龍p48近代日本で子どもが学校に行くようになった動機の一つは、家の仕事を手伝わなくて良くなる。p52 1920東京、座席に横になってタヌキ寝入り。いまのほうがよっぽどまし。×島田雅彦 素人無視の18世紀以前の観念。いとうせいこう「金だけ出して他人に戦争させとく最低の国」。リードザフラッグと言えばよかった×赤坂憲雄 吉本隆明のカンフル剤で生き伸びてしまった柳田民俗学 (12011/07/12

fuchsia

0
対談前に二人の基調報告という文章が掲載されているのですが、小熊氏の「戦後日本のナショナリズム・スパイラル」という2段組で 10ページあまりの文章は、現在の日本の立ち位置とそこへいたるまでの国際的因果といった関係を見事に説明していてすばらしいです。これほど面倒くさい話を判りやすく説明した文章は山本夏彦以来だ(と思う)。2005/01/01

tiki

0
小熊さんの(対談前の準備を含め)スタンスが分かってとてもおもしろい。2009/06/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/411060
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。