記憶・歴史・忘却〈下〉

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  • サイズ A5判/ページ数 362p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788509474
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C3010

出版社内容情報

 ・「 20世紀という戦争の世紀の抱えた問題を、人間として引き受けつつ思索し続けた哲学者が残した、かけがえのない行動の存在論 」(『論座』2005年8月号 宮下志朗氏評)

内容説明

壮大な「記憶の政治学」の試み。アウシュヴィッツの後で歴史は可能か?!記憶と忘却の弁証法のなかで歴史叙述の可能性をつきつめ、「赦しえないものをいかにして赦すか」という「困難な赦し」の問題にいたる、著者畢生の大著、完結。

目次

第3部 歴史的条件(歴史の重荷と非歴史的なもの;歴史の批判哲学;歴史と時間;忘却)
エピローグ 困難な赦し

著者等紹介

リクール,ポール[リクール,ポール][Ricoeur,Paul]
1913年南仏ヴァランスに生まれる。第二次世界大戦に動員され、1945年まで5年間捕虜収容所生活を送り、その間にフッサール『イデーン1』を仏訳。戦後ストラスブール大学、パリ大学哲学教授を経て、パリ大学ナンテール分校に移る。1970年より20年間シカゴ大学神学部教授を兼任した。現代フランスの解釈学的現象学の代表的哲学者

久米博[クメヒロシ]
1932年生まれ。東京大学文学部卒業。東京都立大学大学院人文研究科博士課程満期退学。1967年ストラスブール大学プロテスタント神学部大学院修了。同大学宗教学博士。桐朋学園大学教授、立正大学教授を経て、立正大学講師
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感想・レビュー

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nranjen

4
図書館本。下巻は忘却に関する第三部と赦しに関するエピローグから構成されている。ある共同体の物語には選択的に行われる力の行使によって記念されるもの、その影に「忘れられるもの」が生じる。赦しについては今ひとつ納得いかずに終わってしまった。要再読。福音書の「敵を愛せ」がモース的な贈与と考えられ、敵を味方に変換する働き自体が「赦し」に繋がる指摘が素晴らしい。デリダと論争があり、和解し、さらにまたデリダがツッコミを入れたらしい「赦しと贈与」について、もう少し丁寧に追ってみたい気がする。 2020/01/27

singoito2

1
「記憶力の現象学全体の導きの星は、幸福な記憶という観念であったと、後になって私は言うことができる。」p304。下巻エピローグにある言葉。「幸福な記憶」の追求に導かれて現象学、形而上学、現象学的解釈学、歴史学、歴史哲学、大脳生理学、はては国際刑事法廷をも経巡るオデッセイの長い旅路の果ては「赦し」でした。手強い1冊ですが、読んで良かったです。2020/11/20

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