出版社内容情報
小説の面白さとは何か? それは日常的な文章の面白さとどう違うのか? 村上龍、村上春樹、津島佑子、吉本ばなななどのよく知られた作品のフランス語訳と原文との「ズレ」に注目して、小説言語の特質、小説を読む楽しさを説く、ユニークな小説人門。
内容説明
村上龍、春樹、吉本ばなな、津島佑子などの現代日本小説とその翻訳を手掛かりに、“わたし・ここ・いま”を表現する小説の言葉が日常言語のなかから立ち上がる瞬間を捉え、読むことの楽しみを教えてくれるユニークな試み。
目次
ロマネスクと言語―村上龍『コインロッカー・ベイビーズ』(小説論の素材としての翻訳テクスト;わたし・ここ・いま ほか)
ロマネスクの冒険―村上春樹『羊をめぐる冒険』(あえて悪文を綴る;正しい文の正体 ほか)
化けものどもが語る言葉―津島佑子『火の河のほとりで』(お化けとは何か;化けものはどこに棲むのか ほか)
ロマネスクの理と背理―津島佑子『光の領分』(達意の訳の弱点;現実を現実らしく夢を夢らしくするものは何か ほか)
物語とロマン―吉本ばなな『キッチン』(産声で始まる物語;わたし・ここ・いまの言語 ほか)
著者等紹介
中山真彦[ナカヤママサヒコ]
1934年、ソウル市生まれ。東京大学大学院(仏語仏文学)博士課程中退。千葉大学、東京工業大学、東京女子大学を経て、現在東京工業大学名誉教授
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