出版社内容情報
戦後60年、日本人はどんな社会風景を描いてきたか、これからどんな風景を描こうとしているのか、身近な現象を、タテマエに囚われない自在な批判精神とサビの利いた文章で綴る。
内容説明
戦後60年、日本人はどんな社会風景を描きあげてきたか、どんな社会風景を描こうとしているのか。“良識”の背後にとどく社会心理学の眼が写しとった日本社会の光と影。
目次
社会心理学の視線
達成動機の活性化―沈没信号だった「猛烈からビューティフルへ」
親和的動機―失われた“母親信仰”
間の社会心理学―パーソナルスペース
文化と文明
食の社会心理学―子供の孤食化
不満と不安
準拠集団
ルサンチマンの社会心理
影を失くした男〔ほか〕
著者等紹介
大橋幸[オオハシミユキ]
1929年、東京生まれ。1953年、東京大学文学部社会学科卒業。1957年、同大学院博士課程単位取得退学。1957年‐1962年、お茶の水女子大学専任講師。1962年、東京学芸大学教育学部助教授。1977年、同教授。1990年‐1999年、日本大学文理学部社会学科教授。1998年、東京学芸大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マウンテンゴリラ
0
社会心理学というものに無知なせいか、本書で採り上げられている社会評論に、あまり論理性を感じることができなかった。言われていることには概ね賛同できるが、年配層から若年層に対する苦言といった域を出ていないようにも感じた。例えば、保守的な思想家のあいだで最近よく取り上げられる武士道精神の復活といったことに対しても、時代錯誤で実効性がないといったことで片付けてしまっているが、著者自身の思想的見解は示されていないなど、学問的視点・見解に重きを置かないエッセイとして軽く読み流さざるを得ない書物であると感じた。2012/09/22