“朝鮮”表象の文化誌―近代日本と他者をめぐる知の植民地化

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788508972
  • NDC分類 221.06
  • Cコード C1090

出版社内容情報

〈朝鮮〉という記号をめぐって繰り広げられた知的営為や人とモノの異動。そのような日本近代の文化闘争のプロセスの一端を明らかにしてみたい。(「序章 〈朝鮮〉をめぐる文化的記憶」より)

 ・「類書はあるが、征韓論以降に朝鮮をめぐって成された言説、テキスト、資料の踏査は圧倒的である。」磯貝治良氏評(東京新聞、中日新聞 04.07.11)

内容説明

朝鮮の差別的イメージはどのようにしてつくられたか。従軍文士、殖民事業、朝鮮人日本語作家、在日コリアン文学など、主に「文学」の視点から差別化の過程を丹念にたどり、“朝鮮”像の形成が近代日本人の自己成型の問題であったことを明らかにする、気鋭の力作論考。

目次

“朝鮮”をめぐる文化的記憶
第1部 他者表象と文化闘争(旅するコロニアル・ディスクール―明治日本の立身出世と朝鮮表象の系譜学;殖民イデオロギーと国民像の改築―日露戦争における海外雄飛の文化地政学;健全な青年と地方像の創出―自然主義現象と語られる青年文化)
第2部 越境する文学とジャンル的交渉(従軍文士の渡韓見聞録―日清・日露戦争期の朝鮮像と与謝野鉄幹「観戦詩人」;写生される朝鮮、揺らぐ観察者の眼差し―高浜虚子『朝鮮』のトラヴェル・ライティング;地方農村と植民地の境界―中西伊之助『赭土に芽ぐむもの』と農民文化のディスクール)
第3部 文学の振興と多文化主義(地方としての朝鮮、上京する作家―朝鮮人日本語作家・張赫宙の誕生;文芸復興期の植民地文学―宗主国文壇の多文化主義;民主主義と在日コリアン文学の懸隔―金達寿と『民主朝鮮』をめぐる戦後の“朝鮮”表象)
悔恨の逆説―在朝日本人の一九四五年八月十五日

著者等紹介

中根隆行[ナカネタカユキ]
1967年、三重県生まれ。1994年、早稲田大学第二文学部卒業。2001年、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了、博士(文学)取得。韓国教員大学校総合教育研修院中等教員養成所専任講師を経て、現在、韓国国立ハンバット大学校日本語科客員教授
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