出版社内容情報
フーコーが愛読し、バルザックを嫉妬させたシューの『パリの秘密』。パリの街路や地価を微細に描写し社会の悪を告発したこの小説を、メディア論、社会史的な観点から読み直すとき新たな魅力をもって甦る。
・「当時の民衆を鮮やかに描いたのは貴重です。大衆小説らしく登場人物の善悪の色分けがはっきりしていますし、悲惨な境遇に陥った女性の姿は女性読者の心をとらえました。並外れた能力を持つ正義のヒーローが活躍するのも大衆小説の常道ですが、『パリの秘密』の主人公はその最初です。今年はシュー生誕200年に当たりますが、再評価を期待しています。」(『エコノミスト』2004.06.01 著者インタビュー)
内容説明
フーコーが愛読し、バルザックを嫉妬させたシュー。連載時絶賛を博し、新聞小説の嚆矢となった『パリの秘密』。パリの街路や地下を微細に描写し、社会の悪を告発した小説。名のみ高いこの本が、メディア論、社会史的な観点から読み直すとき、あらたな魅力をもってよみがえる。図版多数。
目次
第1章 新聞小説の時代
第2章 生の軌跡
第3章 『パリの秘密』の情景
第4章 『パリの秘密』の社会史(パリの表象;犯罪・司法・監獄;社会小説としての『パリの秘密』;ユートピアの諸相)
終章 大衆小説の射程
著者等紹介
小倉孝誠[オグラコウセイ]
1956年生まれ。1987年、パリ第4大学文学博士。1988年、東京大学大学院博士課程中退。現在、慶応義塾大学文学部教授。専門は近代フランスの文学と文化史
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