出版社内容情報
現場は、生のデータや資料の宝庫であるだけでなく、現実に即した調査課題を組み立てるための原材料がふんだんに含まれている豊な鉱脈でもあります。現実社会に入りこんで調査をしていると、計画段階で設定していた調査トピックがいかに現実からかけ離れた「机上の空論」であったかという事実に気づかされることが少なくありません。間接的な資料やデータだけをもとにして計画を練っていた時には思いもよらなかった意外なテーマが有望なリサーチクエスチョンとして浮かび上がってくることもよくあります。本を読んで得た知識や概念を現実の世界にあてはめようとして、それがいかにむなしい空理空論であったかに否応なく気づかされ、方向転換を余儀なくされる場合も多いでしょう。(「問題解決から問題発見へ」)
内容説明
失敗、苦渋、挑戦をつぶさに再吟味し、行きつ戻りつしながらデータを収集、分析、民族誌へと結実してゆくフィールドワーク。マニュアル化できない勘所を説きつくした、読めて使えるフィールドワーク入門。
目次
第1部 方法篇(暴走族から現代演劇へ―体験としてのフィールドワーク;他者との出会いと別れ―人間関係としてのフィールドワーク;「正しい答え」と「適切な問い」―問題構造化作業としてのフィールドワーク)
第2部 技法篇(フィールドノートをつける―「物書きモード」と複眼的視点;聞きとりをする―「面接」と「問わず語り」のあいだ;民族誌を書く―漸次構造化法のすすめ)
著者等紹介
佐藤郁哉[サトウイクヤ]
1955年宮城県に生まれる。1977年東京大学文学部心理学科卒業。1984年東北大学大学院博士課程中退(心理学専攻)。1986年シカゴ大学大学院修了(Ph.D.)(社会学専攻)。2000年‐2001年プリンストン大学社会学部客員研究員。現在、一橋大学大学院商学研究科教授。専攻は文化社会学、定性的調査方法論
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感想・レビュー
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