出版社内容情報
子供の中に老人が宿り、老人の中に子供が宿る。この魅惑的な思想を民族社会の伝承から現代の漫画、映画にまで探ってきた「翁童論」全4巻の完結編。この巻は翁童思想の水脈を熊楠、賢治、折口、柳田らを中心に著者の自分史を織り込みつつたどる。
・「日常の世界から霊性を問いつづけていく翁童論は、「私自身の未来」を越えた、さらなる存在論へと展開して行くことを予期させるのである。」(2000年12月10日付・日本経済新聞、川村邦光氏・評)
・「その旺盛な生命力と好奇心にこそ、この行動派思想人の「翁童」的振る舞いがあるというべきだろう。」(読売新聞 2001.1.14 上田紀行氏評)
内容説明
未来を切り開く哲学!!人間はどこから来て、どこへ行くのか この人間と宇宙の大いなる謎に“翁童存在”という独創的視点から迫る著者12年の格闘の成果全4巻、ここに完結。
目次
老いの図像学―「若」に向かって逆成長する身体
第1部 翁童のフォークロリスト(南方熊楠と神社合祀反対運動;霊魂と霊性の民俗学―柳田国男・折口信男・鈴木大拙 ほか)
第2部 翁童力変幻(異貌の国学―平田篤胤と折口信夫;平田篤胤と霊学研究 ほか)
第3部 老いの叡知とユーモア(姥棄て物語と生命の循環;翁童の行方―ユーモアを求めて ほか)
第4部 翁童のコスモス(新・神仏習合の実験場―天河大弁財天社;出産・異界・血 ほか)
終章 翁童のゆくえ(生命観の変革と「翁童論」;現代翁童論 ほか)