インド日記―牛とコンピュータの国から

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インド日記―牛とコンピュータの国から

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788507289
  • NDC分類 302.25
  • Cコード C1030

出版社内容情報

 インドで日本史を教えるという体験をもとに、多くの人が神秘の国として憧れるインドを、先入見に惑わされることなく自分の頭と体で受け止めて、そのつど発信したメール通信です。国際会議で「下手な英語」を駆使して「ヒンドゥー教徒になるにはどうしたらいいのですか」と問うて民族のアイデンティティについて深く考え込ませたり、スラムにミュージシャンとして乗り込んで子どもたちとダンスを踊るなど、興味深い体験が満載された痛快インド日記です。何より重要なのは、そのような記述を通じて、「日本とは何か」「日本の近代とは何だったのか」を考えさせてくれることです。

 「本書は、私のインド滞在の日記である。2000年の1月から2月にかけて、国際交流基金の専門家派遣事業でインドのデリー大学に行き、中国・日本研究科の客員教授として日本近代史を講義した。私は二ヶ月の滞在のあいだ、デリーをはじめインド各地を回り、近代日本の歴史を講義して回った。その間の経験や観察、あるいは現地の人びとと話したことを、日記にしたためたのである」 「おりしも、インドは高度経済成長とグローバリゼーションに揺れ、急速な社会の変化や価値観の動揺、そして右派ナショナリズムの台頭に直面していた。本書でも記したように、現在のインドは「コンピュータ・カフェの門前に牛が立ち、お寺が最新式の音響システムを使っている」といったかたちで、古いものと新しいもの、伝統と近代が入り混じった状態にある。インド人にむかって近代日本の歴史を描いてみせ、その反応を聞くという経験もさることながら、こうしたインド社会の状況も十分に刺激的なものだった」 「日記である以上、統一された主題というものはない。しかし書いたことは、結局のところ、日本にいたときから私が抱いていた関心の延長に位置する。その関心とは、社会の変動と近代化のなかで、人間がどのように自己の位置とアイデンティティを定めてゆくのか、またそうした人間のつくる社会のあり方はどのようなものなのか、その場合に国家と人間はどのような関係を築いてゆくのか、といったものである」 「従来、私は近代日本の民族論やマイノリティの問題から、こうしたテーマを論じていた。本書でもインドのナショナリズムやマイノリティ問題にしばしば言及しているが、日々の体験から書くという日記の脈絡のなさゆえに、より多様な角度からアプローチしている。たとえば地域の自立性、伝統や宗教のあり方、文化の相互影響や革新、テクノロジーと社会変動、社会階層と意識などといったものが挙げられる」 「もっとも本書は、あくまでも日記である。研究書という形態ではなく、こうしたテーマを日々の出来事から語ることになったので、読みやすいものになっていると思う。読者は、目次や本文中の小見出しなどをガイドに、それぞれの関心にそって、どこからでも自由に読んでいただければ幸いである」(「あとがき」より)

 ・「安直なステレオタイプの形成」によるインド観を楽しく修正してくれる。」(2001年1月28日付・沖縄タイムス、謝花勝一・沖縄タイムス記者評)
 ・「新しいインド論、新しい『インドで考えたこと、議論したこと』を歓迎したい」(『STUDIO VOICE』2000年10月号、永瀬唯氏評)
 ・「論座」2000年10月号、与那原 恵氏評
 ・2000年8月3日東京新聞夕刊「書物の森を散歩する」
 ・毎日新聞 2000.7.27 紹介 川村湊氏 今月の推薦
 ・京都新聞 2000.8.6 書評 同記事、北日本新聞(8/13)
 ・日本経済新聞 2000.8.20 特集 あとがきのあと
 ・「ハイファッション」 2000.10月号 紹介
 ・「望星」 2000.10月 丸山 純氏評
 ・「エコノミスト」2000.9.19 特集「著者に聞く」伊藤和史氏
 ・「原子力eye」 2000.10月号
 ・「クロワッサン」2000.11.10 平松洋子氏評
 ・「望星」 2000.10月号 丸山 純氏評

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 【関連書籍】
 『 イスラーム その生活・思想・歴史 』 小杉泰、江川ひかり編 (定価2520円 2006)
 『 インド・ユダヤ人の光と闇 』 徳永恂・小岸昭著 (定価2625円 2005)
 『 マクドナルドはグローバルか 』 J・ワトソン編 (定価2940円 2003)

内容説明

話題作『単一民族神話の起源』『“日本人”の境界』で、近代日本を問い直してきた著者がインドを行く。グローバリゼーションにゆれる多民族国家インドの社会や宗教、芸術、NGO、フェミニズムなどと触れあいつつ、日本のあり方を考える旅。

目次

第1章 「インドの右翼」
第2章 デリーで日本史
第3章 博物館は国家の縮図
第4章 映画・フェミニズム・共和国記念日
第5章 農村のNGO
第6章 カルカッタ
第7章 僧との対話
第8章 聖都ベナレス
第9章 学校見学
第10章 ビジネス都市バンガロール
第11章 観光地ケーララ
第12章 国境の町
第13章 スラムでダンス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

300
本書は小熊英二氏が2000年の1月、2月の2ヶ月間、国際交流基金の招きでデリー大学に滞在した折の日記である。デリー以外にもサハランブル、アムリトサル、ベナレス、バンガロール、コーチンにも足を延ばし、広いインドの南北を体験するなど、なかなかに精力的である。もちろん、全編にわたってインドでの日々が綴られ、私たちもまた著者の目を通してインドを見ることになる。そして、デリー大学等で展開される著者の授業や講演は、同時に日本の近代の意味をも語りかけてくる。つまり、インドを合わせ鏡にすることで、かえって日本の姿が⇒ 2023/06/09

デューク

5
日本近代史の教授である筆者による、2か月のインド滞在の所感をまとめた一冊。 筆者が滞在した2000年当時、インドは高度経済成長とグローバリゼーションの中で、急速な社会変化と価値観の動揺、右派ナショナリズムの台頭に揺れていた。伝統と近代が混ざり合い、国家としてのアイデンティティが確立されていく時代。これは筆者が専門とする、近代日本の姿と重なる。インドを描いているようで、インドを通じて日本の近代とその文化について語った一冊。おすすめ2021/01/11

ジュン

5
いつ読んでも次のセンテンスに動かさせる。 (同じアジアといっても)「みんなウェーバーやマルクスの名は知っていても、お互いの国の知識人や歴史のことはほどんど知らない。...それでも共通の土俵はある。まさに、「みな西洋のことは知っているが、お互いは知らない」ということそれじたいは、共通だ。」(小熊英二『インド日記』p284)2018/07/22

たろーたん

4
興味深かったところ。インド映画では、観客が大声ではやし立てるが、それが気にならない程音量が大きく、またヒーローやヒロインが危機に陥るとヒンドゥー教の神様が奇跡を起こしてくれるらしい。また、意味もなく皆が突如踊り出す。カースト制度を身分制よりも分業制として説明していたところも面白かった。コックはコックの仕事しかしてくれないらしい、庭師も、洗濯も、掃除も、それしかしない。インド人は欧米と比べて批判されると素直に受け入れるが、フィリピンより悪いと言われると怒る。p58まで。2021/01/14

ジュン

4
まなざすことについて非常に自覚的に書かれている。参与観察という手法を意識しつつ、自己の視点がそのまま自らの偏見を暴露していく様は、まるでエッシャーの手のよう。2016/01/21

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