出版社内容情報
平成12年度から全面的にスタートする新教育職員免許法に対応した入門テキ ストのシリーズです。シリーズの特徴として「教師としての力量を養成」「学習の観点と臨床の観点を融合」「『成長していく』という視点からの支援」「発達における危機 を支えるカウンセリングの基礎を学ぶ」「普遍性のある内容」をあげ、学ぶ ・教えるという教育の実際的な活動のなかで、教育心理学、臨床心理学に何ができ、何を伝えるべきなのか、編者・執筆者が何度も議論を重ねた成果です。
しかし、体験的な学習が学びとしていきるには、ここで一つ注意しておかなければならないことがある。それは体験を重視した学びが、下手をすると単なる深みのない細切れの擬似的な体験学習のままに終わってしまうということである。いわゆる「活動あって学習無し」の這い回る経験主義に陥ってしまう危険性である。それは基礎学力の低下という大きな代価を支払わなければならないという危惧でもある。体験的な学びのねらいは、具体的な体験から出発し、問題意識を持ちながら主体的に考えていく力を培っていくことにある。しかし、他方では具体的な体験のみにとどまるのではなく、それらの体験から「何をそこから学べるか」といった、個々の体験を超えた普遍的な問題として考えていける学びは新鮮で面白いが、その学びのあり方によっては、学びとして平べったい表層的なものに終わってしまう危険性とも隣り合わせなのである。(本文より)
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【関連書籍】
『 自閉症 』 藤居学、神谷栄治著 (定価1995円 2007.5月)
『 拡張による学習 』 Y・エンゲストローム著 (定価3675円 1999)
『 間違いだらけの学習論 』 西林克彦著 (定価1890円 1994)
【新 刊】
『 子どもたちのアイデンティティー・ポリティックス 』 森田京子著 (定価3675円 2007.8月)
内容説明
本書は、新しい「教職に関する科目」のうち、「生徒指導、教育相談、進路指導等に関する科目」(4単位)に該当します。小学生が学校・家庭・社会のなかでどのような問題にぶつかっているのか、典型的な課題を取り上げ、その支援法について考えます。
目次
1部 小学生という時期(小学生の現在;小学生期の発達の諸側面)
2部 小学生の成長と環境(家族と友人;環境としての学校;子ども文化 ほか)
3部 成長の節目としての危機(帰属集団としての同性友人集団;性的成熟の開始;甘えと独立のはざまで ほか)
4部 子どもの成長と変容への支援(モデルとしての教師;教師の働きかけの特徴;学級集団づくり ほか)