出版社内容情報
没後50年,人気ますます高い太宰治。気鋭の文化人類学者がその作品に頻出する戦争,社会的不平等,国民意識,小市民の生活などのテーマをベンヤミン的なアレゴリーの観点から分析して新しい読みを拓き,「文化」の問題に新鮮な議論を提起する。
・「出版ニュース」98.12下旬号
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【関連書籍】
『 小説の面白さと言語 』 中山眞彦著 (定価2520円 2004)
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内容説明
含羞を失った戦後文化を痛烈に批判した太宰治。作品のいたるところに描かれる戦争、社会的不平等、国民意識、小市民の生活、滅びの美などのテーマを、ベンヤミンのアレゴリーの概念を手がかりに解読し、現代の切実な課題である「文化」の問題に新鮮な議論を提供する。
目次
第1章 太宰治をどう読むか
第2章 アレゴリーと言葉
第3章 物語作家であること
第4章 「滅びの美」
第5章 太宰劇場の熱狂と変容
第6章 現代世界と太宰治