出版社内容情報
発達心理学を保育や家庭の現場に引っぱり出し,そこに日々発生する事件や問題を理解するための道具,理解を活かすための指針として使えるように説く。子供の発達を深い共感をもって見守り,その健やかな成長を助けるための頼り甲斐あるテキスト。
集団保育では、子どもは家庭での母子関係やきょうだい関係を中心とした日常経験とは異なった経験を持つことになります。保育所や幼稚園の目新しい自然環境や、さまざまな施設や遊具といった物理的な環境から刺激を受けて、感動を新たにし、そうした気持ちの動きにそって、自らの探索活動を広げ、深めていきます。同時に、保育者など集団保育に携わるおとなや、仲間の親との新しいふれあいや、年齢の近い子ども同士のさまざまなふれあいを経験することにもなります。特に保育者の存在は、子どもにとって大きな意味を持ちます。というのも保育者は母親とは異なり、常に子どもの側に立って、今の子どものありようを受容する存在として子どもに受けとめられることが期待されているからです。その結果、それまでの母親との間で結ばれていた関係とは違うおとなとの関係が開かれる可能性があります。(「第1章 子どもの発達と教育」より)
・「保育の友」98.7月号「保育をもっとよくしてくれる1冊」清水エミ子氏
・「保育とカリキュラム」98.7月号 紹介
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【関連書籍】
『 二歳半という年齢 』 久保田正人著 (定価2310円 初版1993を復刊)
『 子どもエスノグラフィー入門 』 柴山真琴著 (定価1995円 2006)
『 エピソードで学ぶ乳幼児の発達心理学 』 岡本依子ほか著 (定価1995円 2004)
目次
第1章 子どもの発達と保育
第2章 泣くこと、笑うこと
第3章 身体の育ちと身辺生活の自立
第4章 自分への気づき
第5章 ことばを使う―話すこと、聞くこと、書くこと
第6章 見ること、考えること
第7章 子どもの遊び
第8章 個の育ちと集団とのかかわり
終章 保育者となるために