ワードマップ<br> 現代フランス哲学

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現代フランス哲学

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  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788506268
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C1010

出版社内容情報

 第二次大戦後のフランス独自の思想として、実存主義と構造主義の名を挙げることに異論はないだろう。もとより実存主義も構造主義もフランスの専売というわけではない。しかしこれらには、他にはないフランス独特の特徴がある。それはこれら二つの思想の出現の仕方にある。いずれの場合も狭義のアカデミズム内の出来事ではなく、フランスの知識人が多数それに関与し、ジャーナリズムを介して一般人の関心をも惹きつける社会的な現象となったのである。戦争直後のジャン=ポール・サルトル、モーリス・メルロ=ポンティ、アルベール・カミュといった実存主義哲学者、文学者たちの活躍はめざましく、その余波ははるか日本にまでおよんで、実存主義を流行らせたのである。実存主義から構造主義への交代も派手な論戦、論争を巻き起こした。…中略…このように思想が事件となり、現象となる傾向は、特殊フランス的といえよう。(「哲学と知識人」より)

 ・「二十世紀後半に、歴史や国家や人間のとらえ方がどう変ぼうしたかを考える入門書。」(東京新聞 98.4.19)

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 【関連書籍】
 『 資本主義黒書 』 R・クルツ著 (上巻6930円 下巻7月予定 2007)
 『 思考のトポス 』 中山 元著 (定価2625円 2006)
 『 記憶・歴史・忘却 上下巻 』 P・リクール著 (定価 上5565円 下4725 2004-05)

 【書物復権 2007】
 『 社会科学の理念 』 P・ウィンチ著 (定価2100円 初版1977を復刊)

内容説明

現代思想をリードしてきたフランス哲学。サルトルからフーコー、バルト、ラカンをへてドゥルーズにいたる1960年代以降の流れを、実存論的現象学、構造主義、ポスト構造主義の三部に分け、さらにレヴィナス、リクールなどの現代の新しい流れを「現象学の新しい展開」として、35のキイワードで見通しよく概観する。

目次

1 1960年の思想的状況
2 実存論的現象学
3 構造主義
4 ポスト構造主義
5 現象学の新しい展開

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ともすけ

10
現代フランス思想の概説書は数あれども、現代フランス哲学の概説書は数少ない。この本は著者の久米博先生の視点が際立っているのだろうか、「現代フランス哲学」というものはこういうものだったのかと感心させられる記述が多い。もちろん扱っている哲学者は、サルトル、フーコー、デリダ、ドゥルーズなどあまり変わるものではない。しかし久米博先生の専門なのか、リクールの記述があるし、それに関連して当時の現象学の新しい展開について書かれている。初版は1998年2月20日。何度も読み返す価値のある良書だ。2016/01/23

NICK

10
サルトルの実存哲学から、その超克として産まれた構造主義、そしてフーコー・ドゥルーズ・デリダらなどのポスト構造主義までのフランス哲学の流れをざっとおさらいする内容。思想家それぞれのまとめは他の本でも読めるかもしれないが、フランスにおける知識人層の政治的影響力やヘーゲルやフッサール、ハイデガーといったドイツ哲学の受容などの思想的土壌についての記述はなかなか面白かった。しかし、サルトルからデリダまで、フランス思想は左系思想ばかりに見えるが、保守側の思想についてはどうなのだろうかと疑問に思った。2014/11/24

さえきかずひこ

8
1960年以降のフランスの現代哲学についての概説書。サルトル、メルロ=ポンティ、ソシュール、ヤコブソン、レヴィ=ストロース、バルト、ラカン、アルチュセール、グリマス、クリステヴァ、バンヴェニスト、フーコー、デリダ、ドゥルーズ、レヴィナス、リクール、ミシェル・アンリ、J=L・マリオンを取り扱う。全体を通して読むことで、現代フランス哲学における、ハイデガー、ソシュールそして精神分析の影響力の大きさが分かる。限られた紙面においてその哲学者の思想のエッセンスがぎっちり詰め込まれているので、読むのはなかなか大変。2017/04/08

キンダニ

3
全体的に難しかった(特にラカン、ドゥルーズ)。本書の特色は、フランス現象学の新しい展開(レヴィナス、リクール、アンリ、マリオン)の解説が載っていることだろう。リクールの「物語的自己同一性」という概念は非常に興味深いと感じた。2017/03/18

うえ

2
よい概説書。サルトルからアンリ、マリオンまで幅広い。「クリステヴァら『テル・ケル』グループ(執筆者にはフーコー、バルト、デリダ)も、折から進行していた中国の文化革命になぞらえてそれをフランスの文化革命とよんだ。彼らはフランス共産党と絶縁し、毛沢東の反修正主義路線と革命の思想とを、文化革命の実態に無知なままに、熱烈に支持した」2015/01/03

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