脳は絵をどのように理解するか―絵画の認知科学

脳は絵をどのように理解するか―絵画の認知科学

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  • サイズ A5判/ページ数 327,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784788506237
  • NDC分類 141.5
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 脳はいかにして絵を解釈するのか,なぜ人によって絵の見方は違うのか。認知科学が解明してきた脳と視覚との関係,感覚システムの進化,目の動き,遠近法の視覚法則といった興味深い視点から,絵が私たちに与える感興と感動の謎を鮮やかに解く。

 心の科学はここ50年ほどの間にめざましい発見をしたのに対し、美術は、人類のもっとも輝かしい偉業のひとつである。心理学者が人間の心的実在に基本的性質に思いをめぐらし、哲学者が実在の意味について考察するよりはるか以前に、先史時代の人間は、洞窟の壁に素朴な(しかし単純ではない)像を書き、人間をかたどった石造をこしらえていた。歴史のあらゆる点で、あらゆる民族が、あらゆる種類の装飾的な美術を生み出し、人生に光彩を与えてきた。美術は私たちの一部であり、私たちも美術の一部である。心と美術はひとつのものである。美術作品を作ったり見たりすることによって、私たちは、もっともよく心のことがわかる。私たちは、美術作品を「見る」のではなく、そこの「心」を見るのだ。美術と認知のこの逆転が、本書の随所に示される。(「まえがき」より)

 ・「毎日ライフ」98.5月
 ・「メディアカル朝日」98.3月 野沢敬
 ・北海道新聞 98.2.8
 ・「視角と美術を科学的に究明」(京都新聞 98.2.1)
 ・東京新聞 97.11.13

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 【関連書籍】
 『 日常生活の認知行動 』 J・レイヴ著 (定価3780円 初版1995を復刊)
 『 錯覚の世界 』 J・ニニオ著 (定価3990円 2004)
 『 視覚のトリック 』 R・N・シェパード著 (定価2520円 1993)

内容説明

本書では、知覚・認知システムの性質と視覚芸術について、いまなにがわかっているのかを考える。西洋(大部分はヨーロッパ)の美術作品を中心に複雑な科学的概念を捨てないように心がけつつ、専門用語の使用を最小限におさえた、読んでおもしろく、魅力的で、知的に刺激的な話を提供する。

目次

1章 大きな窓―視覚の科学
2章 脳と視覚
3章 形の知覚
4章 視覚的認知
5章 文脈と認知
6章 目の動きと美術
7章 遠近法
8章 遠近法と美術の歴史
9章 神経ネットワーク―標準的表象、記憶、絵の認知

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

月世界旅行したい

10
知っていることが多かったけど、こうやってまとめて読むとよい感じ。タイトルで興味が出たならお勧めします。2015/02/08

KimuraShinichi

2
絵を観ることは、絵ではない現物を見るのとはかなり違う行為であること、それにもかかわらず絵を観ても同じように見えたと認識できるということ、それを可能にするための(脳だけには留まらない)身体と精神の仕様について、考えるためのわりとまとまった材料を提供してくれる。4次元的な断片から3次元の外界を認識する視覚の機構は巧みだ。経験から学んだ外界モデルと実時間の感覚刺激を統合する脳の機構はみごとだ。それらを逆手にとって表現した絵画作品を生みまた味わうヒトは驚異だ。自分自身がそのひとりであるという自覚は、実に感慨深い。2017/03/18

monado

2
認知科学と神経科学の立場から、絵画の認知と技法、その変遷を説明している。錯視の話はやはり興味深い。2012/01/25

うちこ

1
ヨガのためのデッサン講座をやるために読みました。 この本には、レオナルド・ダ・ヴィンチは「最後の晩餐」の下絵に3年かけているという話が出てきます。認識をつくるという観察者の視点について書かれているのだけど、相手に認識を与える行為をまさにしようとしているという自覚のすごさにおののきます。 絵を描くための訓練を受けた人の目の動かしかたについても、実験事例の紹介がありました。 2016/11/19

ムシ

0
脳は絵をどのように理解するのかそのプロセス、脳科学と神経の話から始まり、しかし結論として認知の世界に踏みとどまってしまっているのが残念な印象。メカニズムで結論づけるのは非常に難しい。2014/01/05

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