出版社内容情報
脳はいかにして絵を解釈するのか,なぜ人によって絵の見方は違うのか。認知科学が解明してきた脳と視覚との関係,感覚システムの進化,目の動き,遠近法の視覚法則といった興味深い視点から,絵が私たちに与える感興と感動の謎を鮮やかに解く。
心の科学はここ50年ほどの間にめざましい発見をしたのに対し、美術は、人類のもっとも輝かしい偉業のひとつである。心理学者が人間の心的実在に基本的性質に思いをめぐらし、哲学者が実在の意味について考察するよりはるか以前に、先史時代の人間は、洞窟の壁に素朴な(しかし単純ではない)像を書き、人間をかたどった石造をこしらえていた。歴史のあらゆる点で、あらゆる民族が、あらゆる種類の装飾的な美術を生み出し、人生に光彩を与えてきた。美術は私たちの一部であり、私たちも美術の一部である。心と美術はひとつのものである。美術作品を作ったり見たりすることによって、私たちは、もっともよく心のことがわかる。私たちは、美術作品を「見る」のではなく、そこの「心」を見るのだ。美術と認知のこの逆転が、本書の随所に示される。(「まえがき」より)
・「毎日ライフ」98.5月
・「メディアカル朝日」98.3月 野沢敬
・北海道新聞 98.2.8
・「視角と美術を科学的に究明」(京都新聞 98.2.1)
・東京新聞 97.11.13
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【関連書籍】
『 日常生活の認知行動 』 J・レイヴ著 (定価3780円 初版1995を復刊)
『 錯覚の世界 』 J・ニニオ著 (定価3990円 2004)
『 視覚のトリック 』 R・N・シェパード著 (定価2520円 1993)
内容説明
本書では、知覚・認知システムの性質と視覚芸術について、いまなにがわかっているのかを考える。西洋(大部分はヨーロッパ)の美術作品を中心に複雑な科学的概念を捨てないように心がけつつ、専門用語の使用を最小限におさえた、読んでおもしろく、魅力的で、知的に刺激的な話を提供する。
目次
1章 大きな窓―視覚の科学
2章 脳と視覚
3章 形の知覚
4章 視覚的認知
5章 文脈と認知
6章 目の動きと美術
7章 遠近法
8章 遠近法と美術の歴史
9章 神経ネットワーク―標準的表象、記憶、絵の認知
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