出版社内容情報
巨人森鴎外。その人間と仕事の全体像を広い学際的な視野と方法によって照らし出した待望の講座。1巻では鴎外の偉大な個性の形成を,学生,作家,軍医,家庭人としての生と人間関係において探求する。2巻では初期三部作から晩年の史伝,翻訳,評論まで,鴎外文学の方法と表現,位相と構造を個々の作品に即して論じる。3巻では鴎外は何を見,何を読んだか,和漢洋にわたる素養の成立,社会思想,医学者としての関心と業績を明らかにする。
【目次と執筆者】
鴎外の漢学的素養 (藤川正數)
「陰の仕事」 (古田島洋介)
『西青散記』の雙卿と鴎外後期作品の女性像 (布村弘)
「幻怪なもの」の大海から (高橋英夫)
鴎外とロシア文学 (土谷直人)
後れてきた演劇改良論者としての鴎外と『折薔薇』の翻訳 (竹盛天雄)
戯曲翻訳者としての森鴎外 (大島眞木)
鴎外の社会思想・序説 (小泉浩一郎)
森鴎外の哲学 (マリア・ヘスス デ・プラダ=ヴィセンテ)
森鴎外と発禁問題 (篠原義彦)
『渋江抽斎』と『失われた時を求めて』 (エマニュエル・ロズラン)
歐州大戰中の森鴎外 (小堀桂一郎)
鴎外と脚気問題 (山本俊一)
統帥権と森鴎外 (松井利彦)
鴎外と精神医学 (土居健郎)
森鴎外における西洋と日本 (萩原孝雄)
研究の回顧と展望 (古田島洋介)
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【関連書籍】
『 〈作者〉をめぐる冒険 』 柴田勝二著 (定価3360円 2004)
『 投機としての文学 』 紅野謙介著 (定価3990円 2003)
『 創造された古典 』 ハルオ・シラネほか編 (定価4200円 1999)
内容説明
鴎外は何を見、何を読み、何を考えたか。和漢洋にわたる驚くべき素養の成立、その演劇思想、社会思想、哲学、さらに発禁問題、脚気問題、戦争などへの作家として軍医としての関わり方等々をめぐる力作17編。
目次
鴎外の漢学的素養
「陰の仕事」―『於面影』の「野梅」をめぐって
『西青散記』の双卿と鴎外後期作品の女性像
「幻怪なもの」の大海から―ドイツ文学と森鴎外
鴎外とロシア文学
後れてきた演劇改良論者としての鴎外と『折薔薇』の翻訳
戯曲翻訳者としての森鴎外―特に弟三木竹二との関連において
鴎外の社会思想・序説―ブルジョア・デモクラットへの道
森鴎外の哲学―『ヰタ・セクスアリス』から『かのやうに』へ
森鴎外と発禁問題〔ほか〕