出版社内容情報
「個性の尊重」に始まって「いじめの根絶」まで,教育の場に飛び交う正論や殺し文句は,教育の現実とどれだけ切り結ぶことができるのか。教育にかんするさまざまな言説を具体的に取り上げ,それらに固有なしくみとはたらき,効果を詳細に分析する。
一社会の教育システムが、あるいは学校制度が「個性を尊重」したものになることは非常に困難であり、そのことを深刻に洞察すべきである。しかし、「個性の尊重」は一人の親、一人の教師が子どもと関わる際においてひとつの重要な方針となり得るものでもある。たとえば、とりあえず「勉強が嫌いな」子どもに対して、勉強のできないような人間は生きている資格がないかのようなことは言うべきではないだろう。その子どもの持っている何らかの素質を成長させていけるような関わり方を可能な限りするべきであろう。そしてそれはかなりの程度可能なことだと思われる。(本文より)
・「東京大学新聞」98.4.21 特集「新入生に贈る本」刈谷剛彦氏評
・「英語教育」98.1月号 書評 河合忠仁氏評
・「NES」97.9月号 書評 横山泰夫氏評
・「出版ダイジェスト」97.6.21
・「中学教育」97.7月号 新井郁男氏評
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【関連書籍】
『 ごまかし勉強 上・下 』 藤澤伸介著 (定価各1890円 2002)
『 人を伸ばす力 』 デシ、フラスト著 (定価2520円 1999)
『 間違いだらけの学習論 』 西林克彦著 (定価1890円 1994)
【新 刊】
『 子どもたちのアイデンティティー・ポリティックス 』 森田京子著 (定価3675円 2007.8月)
内容説明
教育における「殺し文句」の研究。教育におけることばの呪縛とそこからの解放をめざして。
目次
第1部 教育の基本方針に関する言説
第2部 教育指導に関する言説
第3部 教育問題に関する言説