出版社内容情報
土居健郎氏の「甘え」理論によって世界文学を読み解く試み。鏡花,鴎外からばなな,詠美まで,さらにはドストエフスキー,カフカからヘミングウェイまで,鮮やかな解読と土居氏の適確なコメントを通して,「甘え」理論の有効性が見事に実証される。
・「東京大学 教養学部報」97.10.8足立節子氏評
・「出版ニュース」97.2下
・「京都新聞」97.2.9
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【関連書籍】
『 小説の面白さと言語 』 中山眞彦著 (定価2520円 2004)
『 投機としての文学 』 紅野謙介著 (定価3990円 2003)
『 現代文学理論 』 土田知則ほか著 (定価2520円 1996)
目次
「甘え」と文学
『クオレ』に「甘え」を読む
少女の甘えをエリクソンで解く―『ローマの休日』と『山椒太夫』
『暗夜行路』における「甘え」と「ゆるし」
シーガル著『ラブ・ストーリー』の一日本的解釈
『神曲』に「甘え」を読む
韓国文学における「甘え」―李箱の『翼』をめぐって
ドストエフスキーにおける依存の心理についての覚書き
ドストエフスキーの道化的世界と「甘え」―マルメラードフを視座として
カフカにおける「甘え」〔ほか〕