新版 才能ある子のドラマ―真の自己を求めて (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 216p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788505544
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C1011

出版社内容情報

 親から子へ繰り返される凄惨な人間支配のドラマ。その心的メカニズムと幼児虐待の恐るべき結末を初めて暴いたミラーの第一作が新たに蘇った。いまや本書を抜きに,アダルト・チルドレンや多重人格等,現代人の破滅の人生を解き明かすことはできない。

 自分の感情をもち、それと真摯に、自ら欺くところなく関わることのできる人は、感情をイデオロギーによって粉飾する必要がなく、したがって他の人にとって危険ではありません。現在あれほど広範囲に広がっている、民族主義的な紛争をみても、問題はいずれも抑圧された感情と本来の責任を負うべき者の記憶が抑圧されていることから生れる、同じような誤解であって、合理的な理由などないことは明らかです。世界中の民族主義者はお互いに大変似ています。まるで国際的な統一部隊の制服の様に、その人たちは生の憎悪と破壊への耽溺を身にまとっています。この破壊性の源泉は一つです。つまりこの人たちは、同じように子どもの頃ひどい目に合わされ、それをまったく思い出さないか、あるいは認めたくないと思っているのです。それに、そのようなことがあるとは、すべての社会が、つい最近までまったく認めていませんでした。今日私たちは、このような否認をもはや続けているわけにはいきません。その危険は爆発的に大きくなっていますから。自分の本当の物語を、忘却の闇から発掘する用意のある人は、他の人たちに同じ方向に一歩踏み出すよう促す事になります。そうしてそれは、自分たちの覚醒した意識によって、今日の「政治」の暗闇に、これまで可能であったより多くの光と明瞭さをもたらすよう、呼びかけることでもあるのです。(「療法の鏡に映る軽蔑」より)

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 【関連書籍】
 『 母に心を引き裂かれて 』 C・A・ローソン著 (定価2625円 2007.4月 発行とびら社)
 『 対話の世界 』 井上信子著・神田橋條治対話 (定価2940円 2004)
 『 子どもの福祉とこころ 』 村瀬嘉代子監修/高橋利一著 (定価1995円 2002)

 【新 刊】
 『 心理臨床の奥行き 』 河合隼雄ほか著 (定価1995円 2007.8月)

内容説明

アリス・ミラーが説く癒しへの途。あなたが抑圧している、子ども時代の情動のドラマを明るみに出すこと、ミラーの心理療法はそこから始まる。インナーチャイルド思想の原点となった第一作の改訂新版、待望の邦訳。

目次

1 才能ある子のドラマならびに私たちはどのようにして心理療法家になったか
2 抑うつと華々しさ―否認の二つの形式
3 軽蔑の恐るべき悪循環

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゃーこ

32
精神病と戦う有効な手段は子供時代に起こったことを情動の上で発見するしかない、という。完璧な親なんてこの世にはいないと思う。両親は基本的欲求を満たすのに役立つ人間を探し求める子供である。自分に臨まれている物だけを見せる態度を発達させ、それと完全に融合させる。依存と共犯関係の親子とのっ難しい関係。傷つけ合わなければ生きていけない。本当に価値ある生き方はズレを悪とせず夢にだけ生きる感性を捨て去って自分らしさを獲得するよりほかないのかも。2015/06/21

みにゃー

2
患者向けというよりは療法家向けの本だった。ただすごく古く、母親に責任を被せがち=父親を忘れがちだなと感じた。 自己の傷に自覚的であることが大事だ。私は何故早期に自覚できたのかと時々不思議に思う2018/07/11

るうるう

0
視点が高いので、心打たれる。感動。2012/10/09

こえん

0
魂の殺人につづいて読んだ、初読は22年前。

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