メディア叢書
電子メディア論―身体のメディア的変容

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  • サイズ B6判/ページ数 352p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788505216
  • NDC分類 361.45
  • Cコード C1036

出版社内容情報

 かつてマクルーハンは電子メディアがもたらす直接民主主義的な社会を楽天的に語った。しかしそれは本当に理想の社会なのか。電話,文字と声,小説,テレビ,広告などの興味深い分析を通して,電子メディアの逆説を身体‐権力の変容として跡づける。

 われわれはメディアを間に挿入して〈現実〉にかかわることに、あまりに慣らされている。それゆえ、いまや〈現実〉に内属するものとしての視点と、メディアを挿入しつつ外部から関与する(したがって〈現実〉を仮想現実化する)視点との、整合的な結合のなかでのみ、われわれは〈現実〉を秩序ある統一的な世界として認識することができるのである。日常の中では、二つの視点は矛盾なく結合しているので、われわれはこのような視点の重層性に気づくことはない。しかし、突発的な仕方でその間に亀裂が入り、二重の視点が解離して現れることも、時にはある。…宝塚で地震に遭遇した内田隆三が深い実感を持って語ってくれたことだが、阪神・淡路地震の衝撃は、何といっても、多数の人々が死んでいったという事実に由来する。誰も予期していなかったこの大量の突然死が教えてくれることは、われわれの生は、予期が及んでいない「他でもありえた可能性」を潜在させる限りにおいて、成り立っていたのだ。(本文より)

 ・「社会学評論」97 今田高俊氏評
 ・朝日新聞 夕刊 97.4.23  「メディアのツボ 電話やパソコン通信の「離脱感」」鴨下信一氏
 ・「RONZA」96.4
 ・読売新聞 95.12.4 特集「青の会議室」
 ・「週刊読書人」95.8.18 合庭 惇氏評
 ・「図書新聞」95.7.22 若林幹夫氏評
 ・朝日新聞 95.8.6 上野俊哉氏評
 ・産経新聞 95.7.20 渡辺 潤氏評
 ・日本経済新聞 95.6.11

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 【関連書籍】
 『 マス・コミュニケーション理論 』 バラン、デイビス著 (上3780円 下3465円 2007)
 『 空間管理社会 』 阿部潔・成実弘至編 (定価2520円 2006)
 『 存在論的メディア論 』 和田伸一郎著  (定価3990円 2004)

 【新 刊】
 『 メディアオーディエンスとは何か 』 ロス、ナイチンゲール著 (定価3675円 9月刊行予定)

内容説明

電話、文字と声、カフカの小説、ザッピング・テレビ、広告などの具体的な分析を通して、電子メディアによる身体感覚の変容を詳細に跡づける。

目次

1 電話するボブの二つの信念
2 電話の快楽
3 メッセージとマッサージ
4 文字の文化
5 聞こえない声
6 マス・コミュニケーションの儀式
7 マスコミへの理由なき従属
8 超パノプティコンの機能
9 権力の変容

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サイバーパンツ

8
良書。95年に書かれたとは思えないほど、電子メディアと身体の関係を読み解いている。VRやARでハイパーリアリティが現実的になっている今だからこそ、一読の価値があるかと。あと、フーコー・デリダ・ジジェクなど、思想家をかなり引用していて、大澤真幸の現代思想オタクぶりが炸裂してるという意味でも面白い。2017/01/01

POWER

0
1995年出版。「付録 オタク論」読了。■ 最後に宮崎勤の「祖父の死と幼女殺害をつなぐもの」について、もう一度まとめて語ってほしいという不満がある。■ <他者>=R、第1の他者=I、第2の他者=S、とすると綺麗にラカン理論と符号しているなという印象。2015/07/05

ときお

0
読んだのはいいけれど全然頭にはいってこない本だった。少々思考が偏りすぎている印象。2014/09/09

ヤマニシ

0
「電子メディアを使用するという行為は、いったん他者を、まさに他者的なものとして、つまり遠隔の存在として措定しつつ、同時に、自己の領域の内部へと固有化することを含意している。」(p76)2021/08/03

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