出版社内容情報
せっかく覚えた歴史年表,三角関数,英単語も受験をすぎればすっかり忘れてしまうのはなぜ? 教師や親が皆信奉している学習論のどこが間違っているのか? 効果的に学習して使える知識を獲得する方法は何か?
われわれが通常、学校や社会で学ぶ対象は、程度の差こそあれ、有意味にできるものがほとんどです。受験勉強で暗記科目と呼ばれている歴史なども、年代や項目や人名だけを扱うと、機械的に暗記するしかあませんが、その間の必然性を考えれば有意味な学習になります。(本文より)
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【関連書籍】
『 記憶・思考・脳 』 横山詔一、渡邊正孝著 (定価1995円 2007)
『 ごまかし勉強 上・下 』 藤澤伸介著 (定価各1890円 2002)
『 人を伸ばす力 』 デシ、フラスト著 (定価2520円 1999)
内容説明
受験勉強でさんざん覚えた歴史年表、三角関数、英単語…喉元すぎればすっかり忘れてしまうのはなぜ?皆が信じ込んでいる間違った学習論を捨てて、効果的で能率の良い学習法を身につけるために。
目次
第1章 有意味な学習と認知構造
第2章 有意味学習の特徴
第3章 理解と応用
第4章 知識と教育
第5章 教育への提言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Riopapa
12
西林先生には20数年前にお世話になりました。応用できない知識の問題は,英語を教えていると,いつも感じることなので,外国語における接続的知識とは何なのか,考えてみたいと思いました。2017/03/28
ニゴディー
7
良書。 誤解のないように言葉を厳密に使おうとしてるんだろうけど、そのせいで文章が回りくどく独特でわかりづらい。 ありそうでないアプローチなのでもっと軽い感じで書かれていればと残念で仕方がない。 個人的には効率重視(だと勝手に思い込んでいたもの)から理解重視の勉強へ切り替えてから実感していたことばかりだったので、書かれている内容には共感しかない。 特に最近は効率を求める勉強法ばかりになっている印象があるが、最終的にはここに回帰するんではないかなという印象。2022/06/12
Manabu Miyoshi
5
巷では,本当かよと突っ込みたくなるような怪しい学習論が溢れ返っています。心理学教授が書いた本の中にも,胡散臭い記述が見受けられることは少なくありません。常日頃抱く,このなんとも言えない違和感や,経験上効率の良さそうな学習の仕方について見事に言語化して答えてくれているのがこの本でした。1章と2章では有意味な学習と無意味な学習の違いに着目し,学習に関する俗説が批判されています。3章では,「理解」の意味が再考され,「応用」との関係が議論されています。4章・5章では今までの議論を踏まえた上で実際の教育への提言がな2013/05/12
かきたにたくま
4
詰め込み教育が悪いのではなく、詰め込めないことに問題があるというのは興味深い。おぼろげながら思っていたことをズバリ指摘されたような感じです。2016/05/04
たかね@心理学
4
最近の本かと思ったが私が生まれる前後に出版されたものだった。学習理論(条件づけ)のみかと思ったが認知も多め。やはり頭の上で話しているイメージ。認知認知。認知構造(学習に影響、進化に依存)、先行オーガナイザー(オースベル)、語の般用(ある語が範囲を超えて使われる現象。村田、1968。e.g.「ホネ」を「タネ」と呼ぶ)。2015/03/24