ワードマップ
情報と生命―脳・コンピュータ・宇宙

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784788504721
  • NDC分類 007
  • Cコード C1010

出版社内容情報

 今や全く新しい認識の次元を拓きつつある脳科学とコンピュータ科学,そのめざすところを「情報」と「生命」を手がかりにさぐる。SF形式の叙述もまじえながら我々が自明の前提にしてきた思考の枠組を解体して,21世紀への知の「地図」を提供する。

 人間を機械と考える人間機械論は歴史を振り返ってみれば決して珍しいものではない。それはデモクリトス以来の長い伝統を持っている。だが、近代以降においてそれが語られるときにはキリスト教との複雑な関係を見逃すことはできない。
 聖書において生命はすべて神の被造物であり、いわば神の手作りの「機械」であった。だが、人間だけは他の動物と違って「神の似姿」から作られており、神の属性である「理性」を与えられたとされている。つまり人間だけが「心」をもっており、それゆえ他の生物と人間は根本的に異なっているのだ。(「生命論的機械」より)

 ・「世界そのものも再記述を目論む」(図書新聞 94.2.19 杉田敦氏評)
 ・「生命と情報はワンセットで、これまでの主義、思考、システム、その他もろもろを更新しようとしている。」(STUDIO VOISE 94.4 志賀隆生氏評)

------------------------------------------------------------

 【関連書籍】
 『 記憶・思考・脳 』 横山詔一、渡邊正孝著 (定価1995円 2007)
 『 システム現象学 オートポイエーシスの第四領域 』 河本英夫著 (定価4410円 2006)
 『 大脳皮質と心 』 J・スターリング著 (定価1890円 2005)

内容説明

進展いちじるしい脳科学とコンピュータ科学。そのめざすところを情報と生命という視点からさぐり、われわれが自明の前提にしてきた思考の枠組を解体・組換える。

目次

1 意識×機械(〈私〉というシステム;ソフトウェアとしての精神;人間と機械;生命論的機械;歴史とセクシュアリティ;ディスクの中の人生;情報という視点)
2 脳×現実(脳・精神・記憶;脳内コンピュータ;ロボットの記憶;脳の中の〈他者〉;脳からリアリティへ;アナザーワールド;霊界の解放)
3 生命×宇宙(他者との遭遇;文化という記憶装置;進化する宇宙;物語と時間;生命・AI・物語;挑発するカオス;偶然性と進化;死について;情報と生命)
あとがき 生命の情報論に向けて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kuukazoo

8
本棚の隅にあった約30年前の本。人文学的知と自然科学的知を「情報」「生命」「脳」「記憶」等のキーワードの元に統合・再配置化するという当時の知のムーブメントの解説本。当時の仕事の勉強のために買ったと思われる。なつかしの人名、本のタイトルに時の流れを感じる。著者たちも当時30代であったせいか紋切型な科学批判やイメージ先走り過ぎといったひよっこ感は否めない。エッセイやフィクション仕立ての章が多いせいもあり、SF小説を読んでいるような感じだった。それはそれで悪くなかった。2022/01/09

1
「情報と生命」というテーマについて文科系学者の視座から物語られた本。読み物としては面白いが、やや空想的趣向が強く、科学的に有用な情報に乏しい(著者自身が冒頭でそのようなことを言っている)。科学哲学が好きな人は気に入るかもしれません。2015/01/07

y

0
高校卒業から大学入学にかけての春休みで読んだのではなかったか。2014/08/23

Due destini

0
吉岡洋つながりで読んだ。情報論的転回、情報の(自己)組織化などがキーワード。20年前の本なのでレトロに感じる部分が多い。また著者の科学に関する知識が啓蒙書レベルなのが残念。「脳の中の<他者>」「他者との遭遇」が面白かった。2013/09/06

森閑書庫

0
情報と存在の在り方、生命の形などの哲学的なテーマを取り上げて解説してくれるのは面白いが、視点が文系的なものに留まってしまっている部分が大きく、従って技術的な話題や検討すべき可能性などすそ野を広げる議論を一切排除しており、殆ど「概念の書」となってしまっている部分が残念。2013/05/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/239188
  • ご注意事項