出版社内容情報
世界の男女平等・時短の趨勢に照らして日本人の女性観・労働観は変容を迫られている。日本型男性社会を支える構造の基軸にジェンダーバイアスがあることを看破し,その歪みの実態をドイツと比較しながら労働をめぐるあらゆる側面から炙り出す。
「取引先」や「上司」や「同僚」など、「部下」でもなく、いわんや「お茶くみ」でも「職場の花」でもない女性と職場で接する男性が、日本以外の社会、とくに欧米では急増してきたのにたいして、日本ではまだまだニュースになるような事態である。そして、、当該国の国籍や永住権をもたずに不安定な条件で働く「外国人」とどう共生・協働するかが、四〇年近く在日の韓国・朝鮮人および中国人の存在を無視しつづけたすえに、ようやく意識にのぼりつつある。男と女、老若、文化的多数派と少数派などの社会的関係にかんする真の反省が、遅ればせながらまさに始まりつつあるのが、今日の日本の状況であるといえよう。(「はしがき」より)
・「MD」93.10月
・「エコノミスト」93.11.16 竹中千春
・「婦人展望」93.10月
・「週刊読書人」93.12.24 吉澤夏子氏評
・「図書新聞」93.9.25 香川檀氏評東京新聞 93.9.12 紹介
・「週刊読書人」93.9.13 特集「企業中心社会をジェンダーで解く」大沢真理
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【関連書籍】
『 ジェンダー家族を超えて 』 牟田和恵著 (定価2520円 2006)
『 産まない時代の女たち』 J・バートレット著 (定価2625円 2004)
『 フェミニズム 』 江原由美子・金井淑子編 (定価2730円 1997)
【新 刊】
『 フランスから見る日本ジェンダー史 』 棚沢直子、中嶋公子編 (定価3990円 2007.5月)
内容説明
世界の男女平等趨勢に照らして、不公正と言うべき日本の労働・生活・政策のジェンダー・バイアス。日独比較を通して変革のために何が必要かを説く。
目次
第1部 ドイツの労働とジェンダーの変容(コーヒーカップとコンピュータのはざまで;企業のなかの閉鎖社会;ドイツの職業継続教育と女性;ドイツ企業における女性政策と組織改革;東西ドイツの女性労働;トピック)
第2部 日本の労働とジェンダーの変容(お茶くみとアタッシュケース?;実現が可能か、企業内の男女共同参画;女性の社会進出とストレス;会社人間さようなら;日本の外国人労働と女性)
第3部 日本とドイツ・比較からの問いかけ(働く女性と所得税;休み方・働き方の日独比較の試み;農業と女性のエンパワーメント;労働、社会政策とジェンダー)