出版社内容情報
心理学・人工知能・言語学・脳科学・哲学が総力をあげて迫る知の世界の不思議。1970年代にアメリカに開校した実験大学で,MITやスタンフォード大学の認知科学者たちがスタートさせた教育プログラムから生まれた,最高の認知科学入門。
内容説明
第1章 認知科学とは何か;第2章 認知心理学―心のアーキテクチャ;第3章 認知心理学トピックス;第4章 人工知能―知識表現;第5章 人工知能―探索、制御、学習;第6章 言語学―言語の表示;第7章 神経科学―脳と認知;第8章 哲学―認知科学の基礎;第9章 言語獲得;第10章 意味論;第11章 自然言語処理;第12章 視覚
目次
91.2.20
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
5
1987年初版の大学テキストだが、今読むと心身問題の基本テーマが揃っていると感じる。同じ人工知能の情報処理の観点でも行動主義心理学が心を除いて行動分析するのに対し、認知科学は心的表象と行動の関係を計算可能な認知モデルから説明する。このモデルは命題ネットワーク、スキーマ、メンタルイメージ、制御処理と自動処理、技能獲得による心のアーキテクチャから成る。一方、当時のAIの探索、制御、学習の成果を脳と認知の神経科学的関係と捉え、哲学や言語の新たな成果を導入すると、伝統的な心身二元論の脳=心なるベースが見えてくる。2020/03/02