出版社内容情報
鬼才ファイヤアーベントの名を一躍世界に多からしめた快著の邦訳。パラダイム論の論理をさらに徹底して科学史の革命的な読み返しを示し、科学的創造の世界における合理主義信仰を完膚なきまでに解体する。
「論理」の徹底的な訓練が、その領野で仕事をする人々を条件づけることになる。それは彼らの行動をより画一的なものとし、さらに歴史手過程の大きな部分を凍結して阻む。安定した「事実」が出現し、歴史の有為転変にもかかわらず自ずからを貫徹する。……こうして、厳格な規則によって取りまとめられるような伝統を創出することが可能になり、それはまたある範囲内では効果を収める。しかし、このような伝統を、他のあらゆることを排除してまで維持するのは、願わしいことなのであろうか。われわれは知識に関わりをもつための独占的権利をこの伝統に譲渡し、その結果、他の諸方法によって得られたどんな効果をも直ちに審理抜きで排除されるようにするべきなのだろうか。これこそ私がこのエッセイで問おうとする問題である。そしてこの問題に対する私の答えは、断固たる大音声で「否」となるはずである。(「序論」)
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【関連書籍】
『 方法の擁護 科学的研究プログラムの方法論 』 I・ラカトシュ著 (定価4830円 2006.09復刊)
『 ロジカル・ディレンマ 』 ドーソン著 (定価4515円 2006)
【書物復権 2007】
『 社会科学の理念 』 P・ウィンチ著 (定価2100円 初版1977を復刊)
内容説明
このエッセイはイミュレ・ラカトシュと著者とで著す予定であった、合理主義についての書の第一部である。
著者等紹介
村上陽一郎[ムラカミヨウイチロウ]
東京大学教養学部教養学科卒業。同大学院博士課程(比較文化専攻)修了。東京大学教授を経て国際基督教大学大学院教授
渡辺博[ワタナベヒロシ]
東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程(科学史科学基礎論専攻)修了。中央大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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