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女性作家評伝シリーズ
尾崎翠―『第七官界彷徨』の世界

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  • サイズ B6判/ページ数 175p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787973054
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

内容説明

尾崎翠の内面への思考の旅が、彼女にとっての「東京」という都市や、上落合という場所の意味を浮かび上がらせ、孤独な夢想者の貌を甦らせる。ジェンダー文化外部への危険な越境者のモダニズム世界を発見する、魅力的な評伝エッセー。

目次

序章 尾崎翠を探して(映画『尾崎翠を探して』の試写会;「生きること」と「書くこと」 ほか)
第1章 鳥取―「新しい女」への出発(山陰への旅;沈黙の四十年 ほか)
第2章 父の不在と兄の「不能」(上京と挫折;兄たちの「無能」と「不能」 ほか)
第3章 『第七官界彷徨』の世界(「変な家庭」;片想いと失恋 ほか)
第4章 長い旅の途上にて(帰郷者;叔母というジェンダー ほか)

著者等紹介

水田宗子[ミズタノリコ]
学校法人城西大学理事長、城西国際大学学長、人文学部教授。東京女子大学文理学部英文学科卒業、東京都立大学大学院から米国イェール大学大学院。同大学院で博士号取得。専門分野は、英米文学・比較文学・女性学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みどり

7
尾崎翠研究の本の中でも非常に気に入った。独自の見解を展開する構成は飽きなかった。特に「第七官界彷徨」の考察。所謂フロイト系ファミリーロマンスの外部の青年少女たちが登場人物。彼らは父母のいない家で疑似家族として暮らす。その中で青年たちは町子を孤独や憂鬱からの避難所・疑似恋人として扱っているというのは面白い。尾崎翠は現実から身を引いて自己の内的世界へと深く沈潜することで性差社会から「逃走」するのだという。どうしようもなく彼女の文に惹かれるのはわたし自身がジェンダー化を逃れている少女でいたいからなのだろうか。2017/04/02

mabel

0
なんの構えもなく素直にその本に入っていって、感じたままを感じる、そこで自分の第七官に触れるものがあれば、それは得難い読書経験。時にはこのような批評家や他者の手も借りつつ、その本を一段高い枠組みから捉え直す、これもまた楽しいこと。この尾崎翠論はよかった。2021/06/20

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