内容説明
孝標女は平安中期の女流歌人・作家。藤原摂関体制の華やかをよそに、ひっそりと個性的な生涯を過ごした。本書は気鋭の著者が、彼女の自叙伝的回想―更級日記を辿りながら、虚構と真実の狭間に散見する彼女の実体を凝視し、夢見がちな少女期から、厳しい現実に直面して変貌していく女の一生を追究!
目次
序章 孝標女の生い立ち
第1章 都への旅立ち―孝標女の少女時代
第2章 夢と現実の狭間で―孝標女の青春時代
第3章 里びたる心地に濃き掻練―孝標女の宮仕え
第4章 現世に身を委ねて―主婦としての自覚
第5章 憂愁の中で―孝標女の老年期
終章 孝標女の文学