内容説明
近年、アフリカ農村部では農業以外の経済活動の重要性が増し、生計の多様化が進展している。市場自由化やグローバル化のうねりのなかで、ザンビア南部農村の人びとが農業と非農業活動の間を行き来しつつ、流動的に生活を営んでいる姿を、中小都市との相互作用に注目しながら実証的に明らかにする。
目次
序章 現代アフリカにおける都市と農村(問題の所在;本書の目的と構成 ほか)
第1章 揺らぐ「都市」と「農村」―ザンビア政治・経済史(植民地支配の開始から大二次大戦まで;第二次大戦から独立まで ほか)
第2章 強制移住の村における生計の多様性(強制移住の歴史と移住による社会の変化;人口・世帯・土地 ほか)
第3章 興隆する「農村ビジネス」(農村ビジネスに着目することの意義;ザンビアにおける農村インフォーマルセクター・小規模企業の概観 ほか)
第4章 変わりゆく農村における「都市に働きに行くこと」の意味(アフリカ農村社会における出稼ぎ労働の位置づけ;出稼ぎ労働の特徴の変化 ほか)
第5章 中小都市シアボンガにおける都市発達プロセス(町の変遷;カペンタ―町を支える小さな魚 ほか)
終章 都市と農村を架けるネットワーク(高まる流動性と農村経済;出稼ぎ労働の現代的な位置づけ ほか)
著者等紹介
伊藤千尋[イトウチヒロ]
1984年、東京都生まれ。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科研究指導認定退学。博士(地域研究)。総合地球環境学研究所「社会・生態システムの脆弱性とレジリアンス」プロジェクト研究推進支援員を経て、2012年4月より日本学術振興会特別研究員(横浜市立大学)。専門はアフリカ地域研究、人文地理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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