出版社内容情報
公害との闘いに生きた環境学者・宇井純は、新聞・雑誌から市民運動のミニコミまで、さまざまな媒体に膨大な量の原稿を書き、精力的に発信を続けた。その足跡と思想の全体像をまとめ、現代そして将来にわたって、私たちが直面する種々
内容説明
一技術者として水俣病の発生に衝撃を受け、原因究明と患者救済運動に奔走。公害を生んだ思想への問いとして、東大自主講座「公害原論」を主宰する。立身出世には役立たない、生きるためにほんとうに必要な学問を求めて―。
目次
1 水俣からの問い(水俣病の三〇年;一技術者の悔恨;東京でのいら立ち ほか)
2 自主講座「公害原論」(自主講座「公害原論」開講のことば;「自主講座通信」発刊にあたって;公開自主講座「公害原論」の生い立ち ほか)
3 生きるための学問(現場の目 ここも地獄;公害の学際的研究;科学は信仰であってよいか ほか)
著者等紹介
宇井純[ウイジュン]
1932年6月25日、東京に生まれる。1956年、東京大学工学部応用化学科卒業。日本ゼオン株式会社に入社。1960年、東京大学大学院応用化学修士課程入学。工場勤務時代に水銀を扱っていた経験から、1959年に水俣病の水銀原因説を聞いて強い衝撃を受け、以後一貫して水俣病の原因究明と被害者支援活動に力を注ぐ。1965年、東京大学工学部都市工学科助手。1970年から1985年まで、同大学で自主講座「公害原論」を主宰。1986年、沖縄大学法経学部教授。2003年、同大学名誉教授。2006年11月11日、逝去
藤林泰[フジバヤシヤスシ]
1948年、山口県生まれ。目下の関心は、重なり合いながら地域を支える多様なコミュニティの形成史。立教大学共生社会研究センターに保管されている「宇井純公害問題資料コレクション」は貴重な手がかりとなる
宮内泰介[ミヤウチタイスケ]
1961年、愛媛県生まれ。自主講座「反公害輸出通報センター」元メンバー。現在、北海道大学にて環境社会学の研究・教育にたずさわる
友澤悠季[トモザワユウキ]
1980年、神奈川県生まれ。主な関心は、戦後日本における公害・環境思想史の再構成。2006年5月、病院で初めて宇井さんにお会いし、日本の公害研究史の捉え方について示唆をいただいた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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