内容説明
奈良盆地西部の馬見丘陵に四世紀末から六世紀にかけて築かれた二五〇基を超える大古墳群。巣山・新木山・築山古墳など大王級の古墳を中心としてさまざまな古墳が分布する。大和盆地を東西に二分する勢力、天皇家と葛城氏の興亡を背景とした古墳群の盛衰を語る。
目次
第1章 二五〇基を超える大古墳群(馬見古墳群の分布;調査の歴史)
第2章 丘陵のさまざまな古墳と古墳群(丘陵北端の古墳群;丘陵中央の古墳群;丘陵中心部の前期古墳 ほか)
第3章 馬見古墳群を築いた人びと(三つの古墳群;天皇家と葛城氏;葛城氏の興亡)
著者等紹介
河上邦彦[カワカミクニヒコ]
1945年、大阪市生まれ。関西大学大学院文学科日本史学専攻修士課程修了。文学博士。奈良県立橿原考古学研究所副所長および同附属博物館館長を経て、神戸山手大学教授。中国西北大学客員教授。中国社会科学院古代文明研究センター客員研究員。広陵町教育委員会文化財保存センター所長。飛鳥京跡、牧野古墳、東明神古墳、下池山古墳、黒塚古墳など多くの調査をおこなう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shoji
24
奈良県の広陵町と河合町に跨る馬見丘陵に古墳群が密集しており、馬見古墳群と呼ばれています。さらに、大塚山古墳群、巣山古墳群、築山古墳群に分かれています。それぞれの古墳群の概観と、個々の古墳の解説がなされています。大和盆地において、馬見古墳群が成立した地政学的な解説、歴史的な解説についても言及が欲しかったです。2023/11/18
月をみるもの
11
個々の古墳についての記述を羅列するだけではなく、もうすこし地域の全体像・時間発展についてのストーリーが欲しい、、、、と思ってしまうのは、なんにでも因果を求めずにいられない業、、、なのだろうか。そうはいっても How/Why ぬきの、 When/Where/What(Who) だけでは、「歴史」とは呼べないような気もするしなあ。2022/04/06
月をみるもの
9
古墳が作られ始めたころの奈良盆地東側のいわゆる「ヤマト」勢力と葛城氏の関係、後期になって葛城氏の下にいた蘇我氏が「ヤマト」勢力を従えていく過程、、を具体的に読みとけるようになるには、まだまださらなる研究が必要なようだ。2019/01/20
うしうし
1
県立図書館で借り、PCで地図や航空写真を参照しながら、約3時間で読了。古代葛城氏の墳墓群と考えられている「馬見古墳群」の古墳ひとつひとつを丁寧に紹介した入門書。本文90ページのうち、8割以上が個々の古墳の紹介(悪く言えば羅列)に費やされている。最後のまとめは、頁数の不足からか中途半端な感を拭えない。とはいえ、馬見古墳群の内容をコンパクトにまとめた良書であるため、現地を訪ねる機会がある場合は、ぜひ本を購入したい。2014/06/07
yuki
0
古墳に興味を持ち始めたので読んでみました。2009/02/26