感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ルートビッチ先輩
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バフチンの著作で言えば、『小説の言葉』と『フランソワ・ラブレーの作品と中世・ルネサンスの民衆文化』の間に位置する。文学の時間と空間の接点を見るということだが、抽象的な形から具体的な形へという(一応)歴史的な理解がされ、それは「個人」の概念が進出してくることと関連していると思われる。それが完全に個人主義化してしまわない状況においは、とくにラブレーに見られるように、個人の身体が世界全体の歴史との深い関わりにおいて捉えられ、描写されている。そして、この時間と空間の交錯は抽象的ではないゆえに、2015/08/09